hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

2007年のパティ・スミス

パティ・スミスの活動は前期と後期に分けられる。前期は1975年から1979年まで。後期は1988年から現在までだ。1979年から1988年までの9年間は結婚、育児のためのブランクだった(ように思う)。復活を聞いた1988年当時は、もうパティ・スミスは音楽活動を止めたのだとばかり思っていたので驚いた。しかし何度も書くが9年くらいのブランクは屁でもないのだ。今日は後期パティ・スミスに位置する「トゥエルブ」について書こうと思う。その前に彼女のディスコグラフィを紹介しておこう。

 

1975:「ホーセス」

1976:「ラジオ・エチオピア

1978:「イースター

1979:「ウェイヴ」

 

ここまでが前期。

 

1988:「ドリーム・オブ・ライフ」

1996:「ゴーン・アゲイン」

1997:「ピース・アンド・ノイズ」

2000:「ガン・ホー」

2004:「トランピン」

2007:「トゥエルブ」

2012:「バンガ」

 

以上が後期。

 

 

僕は(ほぼ)リアルタイムでは「イースター」収録の「ビコーズ・ザ・ナイト」を愛聴していた。ブルース・スプリングスティーンが作った曲だ。今でも人気曲である。それから(リアルタイムとまでいかないが)遠藤ミチロウがラジオで紹介していた「ラジオ・エチオピア」収録の「パンピング」をよく聴いていた。

 

 

「ドリーム・オブ・ライフ」が発表された時は驚いたけれど、特に聴くこともなく2020年まで僕の身にはパティ・スミスに関して何事も起こらなかった。しかし、その年に病休をしたことをきっかけに、アップルミュージックで彼女の作品を漁るようになった。前期の作品全部と「トランピン」をiPhoneに取り込みプレイリストを作り、シャッフルしてよく聴いていた。2015年には「ホーセス」のアルバム全曲を演奏するライブも観た。何回か記事にもしている。

 

 

それで先日久しぶりに彼女のCD3枚を購入したのだった。パティ・スミスなら間違いなかろうと思って。

 

 

そろそろアルバム「トゥエルブ」に話を進めていかねば。まずはどんな曲をやっているか書き出してみよう。(   )の中は元歌を歌っている人。

 

・アー・ユー・エクスペリエンスト?(ジミ・ヘンドリックス

・ルール・ザ・ワールド(ティアーズ・フォー・フィアーズ

・ヘルプレス(ニール・ヤング

・ギミー・シェルター(ザ・ローリング・ストーンズ

・ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー(ザ・ビートルズっていうかジョージ・ハリソン

・ホワイト・ラビット(ジェファーソン・エアプレイン)

・チェンジング・オブ・ザ・ガード(ボブ・ディラン

・ボーイ・イン・ザ・バブル(ポール・サイモン

ソウル・キッチン(ザ・ドアーズ)

スメルズ・ライク・ティーン・スピリットニルヴァーナ

・ミッドナイト・ライダー(グレッグ・オールマン

・楽園の彼方へ(スティーヴィー・ワンダー

 

 

ポール・サイモンティアーズ・フォー・フィアーズニルヴァーナ以外は全部1960年代70年代の作品である。ポール・サイモンは1960年代から活躍している人なのでそっち側に入れない方がいいと思われる。この20年から30年前の作品をカヴァーしたこの作品の反応はどうだったっけ?確かレビューを読んだ気がするんだが。少し貶されていたような気もする。ニルヴァーナの大ヒット曲をちゃっかりカヴァーするなんて商売っ気が強すぎません?みたいなことだ。

 

 

僕としては全曲推薦したいくらいのアルバムなんだが、思えば彼女はデビュー時に「グロリア」(ゼムのカヴァー)、「マイ・ジェネレーション」(ザ・フーのカヴァー)を演奏してたよな。もしかしたらカヴァーの名人なのかもしれない。

 

 

でもカヴァーの名人って一体どういう人なんだろう?僕は自分の方にその曲を寄せることに長けている人のことだと思う。いかにも「これは自分が作った楽曲ですぜ」みたいな顔をして歌い、演奏できるかが勝負なのではないだろうか。ここら辺、パティ・スミスは上手い。何だか分からないが「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」では詩の朗読が入っている。「こんなんあったっけ?でもかっこいいからいいか」なんてことが普通に起こっている。詩の朗読は勿論パティの土俵である。他人の曲のカヴァーにそういうことができるということは、パティはカヴァーの名人だってことだ。

 

 

あとはそうだなあ、自分の音域で歌えるっていうことも大事な要素のひとつかもしれない。そのために楽器隊はあらゆる手を尽くして、原曲を解体しなければいけないような気がする。そして改めてパティ用に楽曲を再構成して「さぁ、どうぞ。これで歌ってくだせえ」と演奏するのではないだろうか。

 

 

「原曲を解体」して「再構成する」という作業を具体的に書けないところがつらい。一体バンドのメンバーは誰なんだろう?せっかくライナーノーツが付いているんだし調べてみるか。

 

 

このライナーはなかなか親切だ。パティの1曲1曲に対するコメントもあるし、僕のお好きな音楽評論家の大鷹俊一が書いているのも高得点だ。しかしCDのライナーを読むのは何年ぶりだろう。超読みづらいぜ。

 

 

えーっと、メンバーだったな。レニー・ケイ(ギター)、ジェイ・ドハーティ(ドラムス)、トニー・シャナハン(ベース。キーボード)らがつとめているそうだ。レニー・ケイって言ったらあのレニー・ケイなんだよな。前期からパティをサポートしていた人だ。一体何歳なんだ?基本的にはこの3人だが、他にもトム・ヴァ―レインやレッチリのフリーも参加している。とにかく1曲目がジミヘンの「アー・ユー・エクスペリエンスト?」だということが何やら挑戦的に感じるアルバムである。


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ここまでが今日の3時に書いた文章である。そこからなぜか僕は原田知世を聴きながら眠り、午前を無為に過ごした。今は15時15分。少し外出して(ガソリン補給と車の洗車)、帰ってからしばらくギタ練をした(ほとんど上達していない)。だんだんと明日のことが頭によぎってくる時間帯である。ああ、悲しいぜ。

 

 

話をカヴァーに戻そう。といってもパティ・スミスのことじゃない。彼女とおんなじくらいカヴァーのセンスがある人って誰だろうと考えてみた。そしたら一人思い浮かんだよ。クリッシー・ハインドだ。プリテンダーズではキンクスのカヴァーやジミヘンのカヴァーをしているが、全然違和感がない。知らない人はオリジナル曲だと思うのではないだろうか。

 

 

 

もう少しギタ練をして、それから餃子を作ろうかな。

 

 

 

 

今日も暖かい、というか暑い日だった。車の中ではエアコンをかけたよ。もちろん涼しい方の。ちょっとおかしいよね、この天気。

 

 

 

とにかくパティ・スミスの「トゥエルブ」はいい作品です。