hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

いつかどこかで

今日のタイトルはブライアン・フェリーの「Another Time , Another place」の邦題から拝借した。多分だけど昔渋谷陽一がロック・ミュージックを語る時にこの言葉を使って「ロックとは、今ここではない何処かを目指す音楽なのだ」「そんなものはないとも言える。だからこそ青春の音楽なのだ」というようなことを言っていた。しかし1960年から数えるとすると(本当はもっと前からだが、便宜上、ということでご容赦ください)もう73年経っている。73歳といえばもう立派な老人である。青春などと口走ることは出来ない。

 

とはいえ、クラシック音楽なんかはもう何百年も前から存在し、今も多くのアーティストがその時代に作られた音楽を奏でている。それからみればロック・ミュージックなんてひよっこだ。これからどんな時代がやって来るのか予想もつかないが、何らかの形で(人間が関わるという意味で)音楽という表現形態は残るだろうし、ロックと呼ばれる、呼ばれてきた音楽もまた残るのではないかというのが目下の僕の予想である。

 

クラシック音楽には膨大な曲があって、膨大な人が演奏しているから、聴こうと思ったら勉強しなければいけない。本を読むのも良し、実際に聴くのも良し、だ。知れば知るほどその魅力に取りつかれてまた勉強する。

 

対するロックも同様である。今の若者がロック・ミュージックの魅力を知り、もっともっと知りたくなったら70数年分勉強しなければいけない。これまたクラシック音楽と同様に本を読むのも良し、実際に聴くのも良し、だ。

 

本というと有体に言うと「カタログ本」になる。ロック界では1970年代には既にロックカタログ本は登場していた。生まれて20年ほどでカタログ本を作ることができるくらい、ロックは充実していたのだ。僕は初めてロックカタログ本を1980年代初頭に買って以来、何冊もカタログ本に手を出している。そして今日もまたその種の本を購入した。これがまず今回書きたかったことのひとつである。

 

「Rock名盤コレクション・ガイド」(2001)というのがその本のタイトルである。アマゾンで検索してみたらこの本のレヴューには5つ星がズラッと並んでいた。これは買うしかあるまい。ちょっとレヴューの一部を引用させてもらおう。

 

パーフェクトなオールドROCKの名盤です。「2001年頃に買って、1回処分。また買いました。私はこの本でオールドROCKのほとんどを沢山知りました。全190アーティストの2001年までのバンド個々の全CD、ソロ活動も含めディスコグラフィーが文字で書いてあります。白黒ですが、今現代に至ってもこの本を超えるモノに出会っていません。オールドROCKを知るなら絶対必須です。・・・」

→2019年のレヴューである。だったら今でもイケるかもしれないな。楽しみである。それにしてもオールドROCKか・・・。ちょっとひっかかる言葉だな。僕にとってはちっともオールドではないからなあ。

 

おやじ向けってことは若者に勉強になる「これ、かなりおやじ向けです。私、若いんで古いロックが分かりません。1980年代にロックを聴き始めた人間にとっては相当古いグループのディスコグラフィーが載っていて、使える代物です。年輩の人にとってはこんなのもう知りすぎているって情報かもしれませんが、若者にとっては使えるコレクション・ガイドです。ちょっと今読みまくっています。・・・」

→2007年のレヴューである。この人は16年経った今もロックを聴いているのだろうか。

 

 

「昔はストーンズなんか聴いててさぁ・・・」なんてことを口走っている大人が今もいるのだろうか?こんなステレオタイプの大人はきょうび、いないよな。でもいつの間にか聴かなくなった人は結構いるかもしれない。これこそが青春の音楽たる所以だろうか。

 

 

というわけでせっかくブライアン・フェリーのアルバムタイトルを頂いたのだから、彼に纏わる何かを提示したいものである。ブライアンのソロ活動ははっきりと前期と後期に分けることができると思う。前期はロキシー・ミュージック時代に発表したアルバム、後期はロキシーが解散状態になった頃から出したアルバム、だ。主な作品を列挙してみよう。(←ロックカタログ本的アプローチだ。チャートアクションも書くといいかもしれない)

 

・愚かなり、わが恋(1973)

・アナザー・タイム、アナザー・スカイ(1974)

・レッツ・スティック・トゥゲザー(1976)

・イン・ユア・マインド(あなたの心に)(1977)

・ベールをぬいだ花嫁(1978)

 

 

・ボーイズ・アンド・ガールズ(1985)

・ベイト・ノワール(1987)

・タクシー(1993)

・マムーナ(1994)

・アズ・ティアーズ・ゴーズ・バイ(1999)

 

2000年以降は前に書いたので省略する。先ほど書いたソロ前期とソロ後期が分かるように間を空けておいた。この間にロキシー・ミュージックとして発表したのがあの「アヴァロン」(1982)というバケモノアルバムである。どれくらいバケモノかということは場を改めて書くことがあるかもしれない。僕は「アヴァロン」以前のソロ作品と、以降のソロ作品は異なる趣を持っていると思う。これが今日二つ目に書きたかったことである。

 

それで一昨日頃から聴き始めているのはソロ前期の方だ。特に今はソロ1作目をよく聴いている。これがいいんですよ。ビックリしちゃったよ。何でも聴いてみるもんだね。この頃のソロアルバムの中に収録されている曲のほとんどはカヴァー曲である。何ゆえカヴァー曲なのか、思いを巡らせることになるが、これはもう少し時間を置いてから書いた方がよさそうだ。

 

今日書きたかったことは、カタログ本のこと(もう少し深掘りしたかった)、ブライアン・フェリーのロキシー・ミュージック時代のソロアルバムが素晴らしいこと(後日書く)と前期と後期の趣が違うように思うこと(全然書けなかった)、それからクラシック音楽だって昔の曲をカヴァーしているんじゃないかってことも書きたかった。

 

まあ調子が悪いなりにこれだけ書いたんだから良しとするか。今ちょっと確認のためにソロ3作目の「レッツ・スティック・トゥゲザー」を聴き始めているが、これも名盤の匂いがプンプンしてくる。ああ、また忙しくなってきたぞ。

 

今日は最後にその「レッツ・スティック・トゥゲザー」からのタイトル曲をお送りしてさよならしよう。じゃあね!

 


www.youtube.com