hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

ギター教室の先生

30代半ば~40代半ばまでギター教室に通っていたことがある。ギター教室というと大抵は、何人かのグループでテキストに沿って練習する、という光景を想像すると思う。僕も実際そうしたグループレッスンに最初は参加していた。でもなんか違うんだよな、と思い個人レッスンの方に切り替えた。
 
そこでもグループでの練習と同じテキストを使い、コードの押さえ方や右手の使い方なんかを学んでいたが、ある日思い切ってトモフスキーの「忘却toハピネス」のテープを持っていき、「この曲のコードを教えて下さい」と頼んだ。先生は気持ちよく引き受けてくれた。「ここまではこうだと思うんですけど…」等のやり取りをしながら2回聴いたらすぐに教えてくれた。「何で2回聴いただけで分かるん?」と驚愕しながらも、僕は「これだ。」と思った。つまり、自分がこの曲のコードを知りたいというものを先生に聴いてもらい解読してもらう。先生に、恐る恐るそういう風にしてもいいかと尋ねると、快諾してくれた。

 

何曲持っていっただろう。大半は、トモフスキー遠藤ミチロウ吉井和哉ボ・ガンボスだった。たまにボウイやディランなどの洋楽も持っていったかな。先生はほとんどの場合一聴して解読していた。そしてコードを教えるだけでなく、曲のキーからコードを探っていくことや、セブンス等のちょっとした技も盛り込んで教えてくれた(本音はそういうことを教えたかったのだろうと思う)。

 

ずっと続けていくうちに、先生も厳しくなり、「この曲のコードなら分かるはず。」と教えてくれないこともあった。30分の練習時間のうち25分を僕一人で解読に努め、先生は知らん顔でその曲に合わせてソロを弾いていたなぁ。結果的に自分の力で解読できたけど。

 

ある日、「先生が一番評価している日本のアーティストは誰ですか?」と聞くと、「トモフスキー」と即答したのにはびっくりした。「えっ!ほんとに?」と思わず尋ねると、「トモフスキーの曲には発見があるから」「あのりんごの歌も好きだよ」と仰った(「リンゴの歌」とは「忘却toハピネス」のことだ。歌詞も聴いていたのだ!)。確かに「カンチガイの海」等、僕にはさっぱり分からなくて弾くのを諦めるような複雑で押さえ方も難しいコード進行の曲を持ち込んだことはある。あの時は先生、張り切っていたなぁ。2週にわたって解説してくれたのを思い出す。今思えば、先生もトモフもポール・マッカートニー好きだから共感できるところもたくさんあったのかもしれない。

 

病気がきっかけでギター教室をやめることになったが、今でも気になる曲は時々ギターを持ち出し、コードを探ることがある。

 

でも今は何でも検索できるからなぁ。ちょっと便利すぎる。助かるけど。