hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

上田ケンジ「スターリンが聴こえる」

4月25日は遠藤ミチロウの命日だった。ちょうどその日に「ミュージックマガジン」(岡村靖幸特集を読むため)を購入して読んでいたら新譜紹介でこのアルバムが発売されていることを発見した(3月1日に発売されていた)。
こういうアルバムが発表されるようになったんだな。嬉しいニュースだった。内容もあっと驚く優れたものだ。柄じゃないが簡単に曲紹介をしてみよう。


「水銀」…イントロを聴いても「水銀」かどうか分からない。よくこんなアレンジを思いつくな。歌っている間も聞こえてくるヤマジカズヒデのギターがかっこいい。このギター抜きのカラオケを聴くとのんびりした曲に聴こえるだろう。サビ?のところはギターとともに盛り上がって来てかっこいい。

「365」…何の音か分からない打楽器から始まる。ボーカルは語っているように聴こえる。結構速いテンポだが原曲はもっと速い。何やらツェッペリンがアラビアチックに弾いている時のギターのようだ。

「下水道のペテン師」…これまでの2曲もそうだが上田は叫ばない。抑えた声で歌っている。ヤマジのギターが結構前面に出ている。

「STOP GIRL」…のんびりムードのイントロ。打楽器を使わずにそこら辺にあるものでリズムを構築している。鉄琴のような音も入っている。これは原曲が語り口調なので今回の上田のボーカルスタイルにも合っている。ところどころ上田独自のメロディで歌っているのも心地よい。

「おまえの犬になる」…このギターを聴くと、東口トルエンズの山本久土を思い出す。メロディは原曲と同じ。原曲の粘ついた感じはなくよりリズミカルである。もちろんここでも上田は叫んでいない。

「玉ネギ畑」…さわやかなギターのイントロから始まる。続いてボーカルが入るがこれは「ラップ」である。ミチロウも語り口調で歌っていたがよりラップ感が強い。ところどころオリジナルのメロディで歌っている。最初は違和感を持ったがだんだん心地よく聴こえてくる。

「アザラシ」…原曲をそのままアコースティックにしたようなバージョンである。ヤマジのフリーキーなギターがアコースティックな感じをいい意味で壊している。

「ロマンチスト」…最後に「ロマンチスト」か。イントロがかっこいいぞ。これも山本のギターを想起させる。歌も上田独特のメロディが爆発している。「♪おまえは」のあとにちゃんと「主義者」と入れているところが嬉しい。

上田ケンジ。元KENZI&THE TRIPSで、その後幅広く活躍し、スターリン246でもベーシストを務めた男がこんな素晴らしい作品を届けてくれるなんて、失礼だが正直思わなかった。うん。これはいいアルバムだ。このアルバムの「水銀」→スターリンの「水銀」→このアルバムの「365」→スターリンの「365」・・・・って交互に聴くと最高にいいよ!