hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

ここに足を踏み入れるのか?ホントに?

僕が初めて買ったLPはボストン「ドント・ルック・バック」、2枚目はディーヴォ「(デビューアルバムの直後に出た編集アルバム。タイトルは忘れた。)」、3枚目はエルビス・コステロ「アームド・フォーセス」だった。三者を知っている方はお分かりだと思うが、随分乱暴な買い方だ。1枚目はアメリカの大メジャーバンドのセカンド(これも大ヒット)、2枚目はアメリカの変態的バンド(ローリング・ストーンズ「サティスファクション」のアレンジで知られる。)、3枚目はイギリスのニュー・ウェーブの旗手のサードアルバムである。

 

1枚のLPを買うのにかなり勇気がいった中学生にとってはいかがなものかと思う買い方だったかもしれない。4枚目はデヴィッド・ボウイだ。当時出たばかりの「ロジャー」か名盤の誉れ高い「ヒーローズ」にするかで相当迷ったが結局「ロジャー」を買った。こんなことを書いて何を言いたいのかというと、当時から素直じゃなかったということである。

 

そんな僕もレコードを交換できる仲間ができた。そして最初に勧められたのがエアロスミスの「ロックス」だった。ジャケットを見ると、5つのダイヤモンドがきれいに並んでいる。ようし、と思って中を見ると、内袋に写真が掲載されている。ライブの様子を写したものもあるが、僕の目に焼き付いたのは、乱痴気パーティーの様子を撮った写真だった。僕の頭の中に「不良」という言葉が駆け巡った。その当時は知らない言葉だったが、「セックス、ドラッグ&ロックンロール」というイメージが頭の中を駆け巡った。

 

素直じゃないとはいえ外面(そとづら)は良かったのでこれを聴いてしまうと俺は本当に不良の道に足を踏み入れてしまうのではないか、と思ったわけだ。それくらい、当時の初心だった僕にとっては、ビビる写真だった。しかし決心してターンテーブルにレコードを置いて1曲目のイントロを聴いた瞬間「ああ、これで俺もこっち側の世界に行くのか。」と感じた。それくらい危険な匂いを感じさせるイントロだった。タイトルは「バック・イン・ザ・サドル」、不穏なイントロに続いてスティーヴン・タイラーが禍々しくシャウトする。「ロックス」で聴かなければいけないところは、ここだよ、青少年達。

 

それ以来、友達からは、キッスやクイーン、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリンなどを借り、自分は、ドアーズ、ルー・リードイギー・ポップ等のレコードを買った。最初はビビったエアロスミスだったが、自分にはドアーズのジム・モリソンの声の方が禍々しく聴こえるようになった。こっちの方がホントに「足を踏み入れた」という感じがした。もう後へは戻れないくらい魅了されたし、その後の人生を決定づけることにもなった。

 

でもエアロスミス(解散状態になる前の)はかっこよかったな。今でもたまに聴く。