hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

妻と僕(パート3)

「アメダさん」と再会した。4年振りに。彼女は随分以前と印象が変わっていた。髪を短く切り、スポーティーな感じに変身していた。しかし、その前に書いておかなければいけないことがある。

 

「ヤマガタさん」のことだ。あくまで全部仮名だからね。念のため言っておくけど。

 

「ヤマガタさん」?誰だそれは?一体お前は何をしているんだと言わそうだが、まあ聞いて下さいよ。

 

初任で赴任した小学校は前に講師で勤務していた学校だと書いたが、その時ヤマガタさんも同時にその小学校にやってきた(だからアメダさんが来る前のことだ)。彼女は明るく誰とでも接することのできる女性で、僕にもよく話しかけてくれた。自動車免許を取るために自動車学校に通っていたが、免許をもらった翌日に満面の笑みで僕に「とれたよ!」と免許証を見せに来た。僕もまた満面の笑みで「よかったね!」と返した。

 

そして1学期も終わり夏休みに入った。その小学校では夏休みに「職員旅行」なるものを行っていた。のどかな時代だった。僕は行きたくはなかったがペーペーの僕に拒否することは許されない。仕方なく行き、ようやく学校の駐車場に帰って来た。

 

「やれやれ。やっと帰れる」と思った僕はさっさと自分の車に乗って帰ろうとした。そうしたら後ろから声がかかった。ヤマガタさんだった。「送ってくれない?」と言われた僕は、心臓がドキッとした。いや、不吉なことを考えるのはよそう、と思い「いいよ」と言って隣の座席に乗せて帰路に着いた。「確かここら辺だったよね?」と僕が言うと、彼女は黙っている。何かが起ころうとしている。僕は心の中で身構えた。すると彼女は、「これ」と言って僕に袋に入った物を渡した。

 

僕は知らず知らずのうちにカーステのボリュームを少し上げていた。車を停めて中を見ると、職員旅行の時に買ったらしいよく分からない「石」が入っていた。僕の頭の中で「指輪」が甦ってきた。追い打ちをかけるようにヤマガタさんは「まだ家に帰りたくない」と言った。そして「ボリューム下げてくれる?」とも言った。仕方なく僕はボリュームを下げた。

 

「どういう意味か分かるよね?」と聞かれた。こんな時皆さんはどうしますか?

 

僕はあろうことか「分からない」と言ってしまった。ああ。今なら百倍上手く言えるのに。念の為に言っておくが僕にはヤマガタさんに特別な感情を抱いていなかったし、邪な考えもなかった。だから「帰るよ」と冷たく言い放った。ヤマガタさんはそれで諦めがついたのか素直に自分の家を教えてくれた。

 

ヤマガタさんとはそれっきり会わなかった。この話はこれで終わった。と思うでしょ?僕もそう思った。

 

話を最初に戻そう。

 

アメダさんと再会した。

 

「〇〇先生が産休だから?」「そう」「久しぶりだねえ」とか喋りながら校舎に入り、アメダさんが同僚となった日々が始まった。少しずつ僕たちは仲良くなっていった。当時(何度も言うが)まだのどかな時代だったので若い先生たちは勤務時間後、体育館でバドミントンをして交流していた。そんな時間を過ごすうちによく喋るようになっていったのだ。別に好きとかという感情はまだなかったが気が合った。

 

そして、ある日講師が本校に来ることになった。その講師の名前はヤマガタさん。あの日以来のヤマガタさんが挨拶のために職員室に立っていた。不吉な予感?勿論したよ。そしてその予感は的中するのであった。

 

 

 

どうです?ドロドロしてきたでしょ?まだ続くよ。