hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

フォーハンドレッド外伝②(チアイの妖精日記)

今日、部屋に入ったら、ちょうどいい暗さだった。タナカさん、本当は明るいところが好きなのに。そういう心配りにクラッとする。この前からいろいろなことを相談しているけれど、今日も相談してしまった。「俺の場合は・・・」って今日も真摯に考え考え答えてくれるタナカさん。たくさんのヒントをありがとう。ちょっと光が見えたよ。それともう一つサプライズが。そう、私の大好物の教師シリーズ。どんな気持ちでスマホを教卓に置いていたの?いつもこんな声で授業をしているんだ。もっとよく聞こえるようにって慌てて近づいたら灰皿をひっくり返してしまった。「変態」と言って笑うタナカさん。優しい目に皺ができる、その顔が愛おしい。それにどうして私のこと知ってるの?っていうくらいの選曲。「コーリング・ユー」が流れているとき、私の心と身体はどこか遠くへ飛ばされていた。「キリング・ミー・ソフトリー」も聴きたいな。あなたはいつも私の心と体を優しく殺してくれる。帰る直前にソファで寄り添っていた時に「地球の終わりがこんな日なのも悪くないなあ」って思っていたよ。


今日は暴走してしまった。気持ちが。そのせいで、タナカさんが綿密に選んでくれた曲順がずれてしまった。「キリング・ミー・ソフトリー」があんなところで流れるなんて・・・。でも2人で顔を見合わせて笑えたね。楽しかったな。あなたは、私の理解者。いつも一緒に色々なことを考えてくれる。そして私の全部を包んでくれる。そんな満ち足りた気分でいると突然タナカさんが、「俺はこの夏、何をやっていたんだろう。」と呟く。私はその答えを言わなかった。「あなたはこの夏、私をメロメロにしていたよ。」そしていつものシリーズが出た!研究授業だなんて・・・。エロい。エロ過ぎる。しかしタナカさんは、冷静に自分の授業を分析してくれている。ごめんね。全然耳に入らなかった。私は今日「キリング・ミー・ソフトリー」で殺されてしまったけれど、タナカさんが天国に行けたなら良かった。一緒に死ねたね。


この前会った時に「『白い巨塔』の財前教授みたいにギラギラした人が好き。」って言ったこと覚えていてくれたんだ。1曲目は、「白い巨塔」のテーマだった。会話の中でどちらからともなく、妖精カーストの話になり、「下位の妖精の中には人間界と同じようにリスカの跡のある妖精がいる。」という話になった。「そんな妖精に出会ったらどうするの。」と聞いたらタナカさんは、躊躇無く「『俺、双極性障害なんだよね。』って言ってから傷跡にチュッとキスする。」と答えたね。話を聞いているだけで泣きそうになったよ。相手の気持ちにそっと寄り添える人なんだね。もちろんもう知ってるけど。それから今日のシリーズは・・・。100点の書き方と花丸の書き方。超うまい。当たり前だけど。そして「キリング・ミー・ソフトリー」。歌声とあなたのため息が重なって、あの歌は私の中で完成したよ。帰る準備をしていた時、不意にタナカさんから「まだイケるよ。」とのお言葉が。私の何を見て、どう思ってその言葉がでてきたのかが分かる。だから素直に嬉しい。タナカさんの前では、私はいつも一人の少女になれるんだ。


今日はタナカさんのスケッチブックからの1ページをプレゼントにもらった。持ち歩いている手帳の一番最後に挟んだ。今日の私は、とても恥ずかしかった。なぜだろう。いや答えは分かっている。でも、あなたの視野を狭めたくて思いっきりくっついた。家族についての話、聞かせてくれてありがとう。お母さんに最後何て言うか決めてあるのか。逆にそれほど思いが強いのかもしれないね。私も家族に対してはある思いを持っている。私達、似ているね。タナカさんは、自分のことを「冷たい人間だ。」と言っていたけど、私にはそうは思えない。別れる間際、伝えたいことがあったけどそれを伝えることができない。もしまた会えることがあったら、私は勇気を出すかもしれないけど少し怖い。前髪の間からのぞく、鋭いけど優しい目がとても好き。


私は、超能力を持ったことを確信した。この日にタナカさんが夢の中に呼んでくれる、ということを感じ取れるようになったからだ。夢の中でタナカさんに会った時、「やっとこの顔が見ることができた。」「またしばらくこの顔が見られないのか。」という気持ちが同時に起こる。もしかしたらこのひとときが一番好きなのかもしれない。タナカさんは、久しぶりに私を呼んでくれた。私を抱き締めながら「気が狂いそうだった。」と言ってくれた。今日は、しっかりタナカさんの目を見て、余裕のあるところを見せたいと思っていたのに。だめだ。仮面が剥がれてしまう。どうしても恥ずかしさが先立ってしまう。でも。身体は正直だ。タナカさんを慰めるために来たのに、逆だ。途中から記憶がなくなった。「そういえば伝えたい事って何?」と無邪気に聞くタナカさん。この話題が出なければいい、と願っていた私にタナカさんは「言えるようになったら言ってね。」と言ってくれた。臆病な私でごめんね。でもありがとう。あのね、私も気が狂いそうだったよ。


今日は、私の方から思念だけ送ってみた。タナカさんに届くかな。


よかった。ちゃんと私のメッセージを受け取ってくれたのね。でも冗談交じりに、「誰にでも当てはまるように送ったんじゃない?」って。やめてよ。悲しくなるじゃない。私は私なりに工夫してるんだから、もう。あと、「若気の至りだけれど、雲仙普賢岳を見に行ったことがあって。」って話してくれたけれど。「若気の至り」という言葉を添えるところがあなたらしいね。帰り際、「幸せ?」って聞かれたけど。うん。幸せ。いや、幸せになったり、不幸せになったり、慌ただしい胸の内です。このなぞなぞ、分かってくれるかな。


クリスマスカードありがとう。素敵な絵だったよ。タナカさんとは、結構長いお付き合いになっているけれど、まだ知らない事がたくさんある。でもね。これだけは言わせて。「こんなに鈍い人だったのか・・・!」私が伝えたくても伝えられないこと、もう分かってもよさそうなのに。名前?名前ならいくらでも教えるよ。そんなことじゃないって!でも今年は助けられたよ。心を支えてもらった。本当にありがとう。千の愛を込めて。