1枚を選べ!シリーズ開催

これまで「アルバムランキング」「選べま10」「無人島に持っていくとしたら」みたいな企画モノを気が向いたらしていたが、今回は「数多あるアルバムの中からこれぞ傑作!というアルバムを1枚選べ!」というアイディアが閃いた。何の変哲もないテーマだ。しかも無茶なテーマである。デヴィッド・ボウイやビートルズ、ストーンズなんかを考えて1枚選べったって無理があるよね。しかし今回はその無理を通そうと思う。

 

 

 

さて、誰を選ぼうか?なんて言っても実は決まってるんだよね。ザ・ローリング・ストーンズである。お前それはちょっと無理があり過ぎないか?という声がバンバン聞こえてくるが、そんなことはいいのだ。

 

 

 

じゃあ即決かと言われれば勿論そんなことはない。考えに考えて2枚までは絞れたが、どちらも甲乙つけがたい。それこそ今日の気分で決めるしかない。

 

 

 

その2枚とは「レット・イット・ブリード」(1969)と「スティッキー・フィンガーズ」(1971)である。お前それは定番過ぎて面白味がないだろ?とまたしても読んでくれている方からのツッコミが聞こえる。僕もそう思う。500字にも達していないのにもう煮詰まっているがこのままいってみよう。

 

 

 

結果を発表しよう(もうジャケットが写っちゃってるか)。今回は「レット・イット・ブリード」を選ばせてもらった。1番のポイントは、音の良さである。レコードで聴いた時にいい音だなーと思った。2番目は、凶暴なギターである。後で全曲紹介を書いてみたいが、「ミッドナイト・ランブラー」のギターは狂暴としか言いようがない(←でも高校時代は分からなかった)。

 

 

実は僕が初めて(高校時代に)買ったストーンズのアルバムが「レット・イット・ブリード」だったのだが、その時は「?」って思った作品だった。そして他のストーンズ作品を聴くようになり、徐々にバンドの魅力も分かるようになっていったが、「レット・イット・ブリード」の地位はそんなに高くはなかった。そしてこの歳になって再びレコード道に回帰して聴いた時に「いい音だなー」と思ったと同時に、内容の素晴らしさにやっと気づいた次第である。僕が購入したのは古い日本盤だった(ジャケットはボロボロだった)が、US盤だともっといい音らしい。

 

 

 

1968年5月にシングル「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」を発表し、年末に「ベガーズ・バンケット」を発表し、両作とも高い評価を受けたストーンズ。「ベガーズ・バンケット」は、「悪魔を憐れむ歌」「ストリート・ファイティング・マン」「ストレイ・キャッツ・ブルース」「パラシュート・ウーマン」以外はアコースティックなブルースって感じだ。そしてベスト盤を発表したのちに発表されたのが「レット・イット・ブリード」である。ブライアン・ジョーンズ絡みでゴタゴタしていた時期でもある。

 

 

 

それでは1曲ごとに思ったことを書いてみよう。初めて聴いた時のことが中心になるかもしれない。

 

 

 

A面

ギミー・シェルター・・・この不穏極まりないイントロは、高校生の僕でも分かったっていうか伝わった。何か尋常ならざることが始まる感じがしたものだ。そして後半の女性コーラス(メリー・クレイトン)に痺れた。この曲があったからこそ、僕は「何とかローリング・ストーンズを知りたい」と思っていた。それになんでライヴでやらないのだろうと思っていた。しかし1990年代くらいかな?メリー・クレイトンに勝るとも劣らない女性ヴォーカルを起用してからは結構演奏されているように思う。

 

 

むなしき愛・・・「ギミー・シェルター」を聴いた後、固唾を飲んで待っているとこの曲が流れた。その時の落胆ぶりは今でもハッキリと覚えている。この曲を心から「いいなー」と思えたのは、30歳を過ぎてからだった。それにしてもロバート・ジョンソンの原曲を聴いて「なんであの曲がこうなっちゃうんだろう」と驚いてしまった記憶がある。

 

 

カントリー・ホンク・・・「ホンキー・トンク・ウィメン」も知らなかった僕は、「むなしき愛」に続き、ガッカリした。なんでこんなにのんびりミック・ジャガーは歌ってるんだ?と思ったのだが、やはり30歳を過ぎてから「最高じゃん」と思うようになった。キースのカントリー風味たっぷりのギターがリアルに僕に迫ってくる。

 

 

リヴ・ウィズ・ミー・・・イントロのベースを聴いて「やっと待っていたものが来た」と思った。切り裂くようなギターも気に入った。この曲も長らく演奏されてなかったんじゃない?映画「シャイン・ア・ライト」で誰かと一緒に歌ってたよね?間奏のサックスが今聴くと堪らなくソウルフルに聴こえる。

 

 

レット・イット・ブリード・・・この曲も正直分からなかった。だいぶ前に書いたが、耳は聴き込むことによって作られる。ストーンズの音楽は、特にその傾向が強いと思う。何回も聴いてミック・ジャガーの歌い方に馴染み、その音楽に馴染む。そこから先は幸福が待っている。もしかしたら今一番聴き込む必要があるかもしれない曲だ。

 

 

B面

ミッドナイト・ランブラー・・・みんなが名曲だ名曲だと言っているのは知っている。でも、俺この曲に反応しなかったんだよね。キースのギターがこれだけ空気を切り裂いているのに。だからライヴヴァージョンを観てもしばらくピンと来なかったんだよね。「ギミー・シェルター」ほどの不穏さが感じられなかったかもしれない。

 

 

ユー・ガット・ザ・シルバー・・・最初は「なんだこの声は」って思っちゃった。この曲がホントに沁みるようになったのは、ライヴで(腹が少し出た)キースがロニーと一緒に演奏するようになってからだと思う。つまりは最近だということだ。遅すぎるね。

 

 

モンキー・マン・・・高校時代に初めて聴いた時、正直言うと「我慢したかいがあった」と思った。このギターは、高校生でも分かりやすい。何だかんだ言ってこの曲もライヴでやってるよね。つまりアルバム「レット・イット・ブリード」収録の曲は、全部ライヴで演奏していることになる。

 

 

無情の世界・・・これもなかなかツラかった。「なんで合唱団なんだよ」ってまず思ってしまった。だから「ユー・ガット・ザ・シルバー」と同じ頃にその良さが分かったことになる。全く遅すぎるよね。正直に言うと、キューバでライヴをやった時に合唱団も含めて演奏した時に初めて衝撃を受けた。

 

 

 

 

 

自分で書いていて気づいたけれど、つい数年前まで僕はこのアルバムをほとんど評価していなかった。レコードで改めて聴いて「素晴らしい」となったということは、58歳までこのアルバムの魅力に気づいていなかったことになる。いやー、死ぬ前に気づいてよかった。

 

 

 

だからなのかな?今回ストーンズで1枚選ぶってなった時に「レット・イット・ブリード」を選んだのは。

 

 

 

とまあ、初回にしては薄味な内容になってしまったが、しょうがない。僕は今日ある本に夢中になっていたのだ。早く記事で書きたいと思っている。

 

 

 

 

それでは。