この青年を見よ!

千原ジュニアが「この歌詞が刺さった! ブランキー・ジェット・シティの10曲」と題したYouTube動画を公開していた。

 

 

千原ジュニアはとにかくユニークな音楽遍歴を経て現在に至っている。少年時代は御多分に漏れず松田聖子などのアイドル歌謡曲を聴いていた。その後中学時代に引き籠りになった彼は、兄のせいじに「誰も聴いとらん音楽を聴きたい」って言って貸しレコード屋に連れて行ってもらったそうだ。

 

 

そこで「パンクっちゅうもんがあるんやて」と教えられて、「パンク」の棚を見てジャケットを見て選んだのが、スターリンの「虫」だったという。このアルバムに夢中になったジュニアは、それだけを只管聴いていたという。

 

 

その後プッツリ音楽を聴かなくなったジュニアは、芸人としてステージに立つようになる。そしてある日のステージに出る前に、音響さんから「ジュニア君、今日の出囃子はきっと気に入ると思うで」と言われた。そして出囃子を聴きながらステージに出たジュニアは衝撃を受ける。

 

 

もう、その後の歌詞が気になって、気もそぞろだったという。戻ってすぐに音響室に行って音響さんから教えてもらったのが、ブランキー・ジェット・シティの「PUNKY BAD HIP」だった。

 

 

YouTube動画はこの曲の歌詞クイズから始まった。ジュニアが歌詞を読み上げる。

 

 

“新しい国ができた 人口わずか15人”

“それも全員センスのない 単車乗りばかりが揃ってる”

“ある日ストリッパーの腕に抱かれて眠ってた” 

“ボスが目を覚ました 顔に冷や汗を浮かべながら”

“天国行きのエスカレーター その手すりは      

 

 

「さあ、『天国行きのエスカレーター その手すりは・・・』何が来ると思う?」と問いかけるジュニア。スタッフが戸惑いながらも言うが正解ではない。ジュニアは、「それにしても『天国行きのエスカレーター』って・・・こんなん誰も言っとらんよな。すごいな」とか言ってる。そして徐に答えを言う。

 

 

「『天国行きのエスカレーター その手すりは・・・』『ワニの皮だったぜ』なんよ」

 

 

「どう思う?ワニの皮って・・・」そしてこう続けた。「人類が天国に行くためには、ワニを殺さないかんかったわけや」。

 

 

僕は、今まで散々この歌を聴いていたが、そういう風に考えたことは全くなかったので、ちょっとした衝撃を受けた。でも「そうか、それはベンジーらしいな」と思った。もしかしたら、ジュニアはベンジーから直接聞いたのかもしれないし、普段のベンジーの言動からそう思ったのかもしれない。

 

 

書くのを忘れていたけれど、「PUNKY BAD HIP」に衝撃を受けたジュニアは、勿論コンサートに行き、再び衝撃を受け、なんか知らんうちにライヴ後の打ち上げにも参加するような関係になった。その後も交流は続き、特にドラムの中村達也とは今でも付き合いがあるらしい。

 

 

 

「刺さった歌詞クイズ」に戻そう。次は「ディズニーランドへ」という曲だ。曲のタイトルを教えたあと、ジュニアは「この歌の歌い出しはどんな言葉から始まると思う?」と再びスタッフに問いかけた。

 

 

またしても戸惑うスタッフたち(ディズニーランドだし、なんか楽しいイメージかな・・・)。さっきのぶっ飛んだ歌詞を考えると・・・と悩んでいるうちにジュニアが言う。「ノイローゼや」。

 

 

「はぁ・・・」とまたしても戸惑うスタッフにジュニアは歌詞を教える。

 

 

“ノイローゼになってしまった友達が僕に言う”

“「あの楽しそうなディズニーランドへ 一緒に行こうよ」って”

“でも僕は行く気がしない なぜなら彼は気が狂ってるから”

 

“一緒にいるのが とてもつらくてたまらないから”

“一緒にいるのが とても恥ずかしくてたまらないから”

 

“でも僕はこう答えたんだ 「もちろん行こうぜ 約束するよ」って”

“でも僕は多分その約束を 破ることになるだろう”

“彼は悲しくて涙も流さないだろう”

 

“そして僕は冷たい人間の仲間入り”

“そして僕は冷たい人間の仲間入りさ”

 

 

 

 

ブランキー・ジェット・シティが代々木公園野外ステージで開催した伝説のフリー・ライヴの映像がある。時は1995年8月26日。観衆は1万人を超えていた。

 

 

この映像は「Are You Happy?」というタイトルでDVD化されている。約30年前の音楽シーンはこんなんだったのだ。

 

 

この時期のブランキーは煮詰まっていて「もうこのライヴで最後にしようや」とまで言っていたらしい。しかしこのライヴの出来があまりにもよかったので、解散を踏みとどまった。

 

 

このDVDが優れているのは、聴衆の様子がいいタイミングで、しかも結構な時間捉えていることだ。「ディズニーランドへ」の印象的なイントロが流れるとすぐにカメラは1人の青年をアップで映し出す。そして静かに始まったイントロが爆発するまでずっと映し続けている。その後カメラは引き始め、ものすごい人がぎゅうぎゅう詰めになっている様子を映し出す。

 

 

この青年の、切羽詰まった表情から感情を爆発させるまでの時間、観ている僕も息をひそませる。そして青年の爆発とともに僕たちも「うぉー」という気持ちになる。今日はとにかくこれを書きたかった。

 

 

是非見てほしい。最初のイントロだけでも必見ですぜ。

 


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それにしてもベンジーは難しいギターを弾きながら「ハァ~ン」とか「ウゥー」とかがなってるんだけど、頭がどうかしてるとしか思えない。興味を持った人は、このライヴDVDを最初から最後まで観ていただけると、ブランキー・ジェット・シティの恐ろしいまでの演奏力が分かると思う。3人でこんだけ凄い音を出せるなんて信じられないよ。

 

 

今、ブランキーみたいなバンドっているのかな。それにあんなふうに切羽詰まった顔でライヴを見ている青年はいるのかな。

 

 

 

よかったらこれも見てよ。このライヴの1曲目「DIJのピストル」です。始まる前の異様な雰囲気も必見だし、ベースの照井の叫びも怖いくらいかっこいい。そして歌詞が最高ですぜ。

 


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それでは。