レコードを聴くようになってから3年が経とうとしている。この間レコードの値段はどんどん上がり続けている。3年前はまだ手が届く値段だった。中古レコード屋を巡ったりメルカリで買ったりすることができた。それで十分なはずだった。
しかし新しくアナログ化されるレコードが増え続けている。ボ・ガンボスとか小沢健二とかブランキ―・ジェット・シティとか仲井戸麗市とか細野晴臣とか。つまり僕たちおじいさんが青春時代に聴いていたブツが、アナログ化されるようになったのだ。しかも音質はいいときている。
こんなのにいちいち反応していたら身が持たない、と最近になってやっと分かった。勿論これからも色々なアーティストのアナログ化は続くだろう。60歳代でお金持ちの人はたくさんいるんだろうし、若者で興味を持つ人もたくさんいるだろう。
それに伴い中古レコードの値段も上がっているように思う。僕が知っているところで言えば、メルカリに出品している人は、今相当強気である。少なくとも3年前はこんな値段じゃなかったはずである。
しかし、探せばまだまだ廉価で買うことができるレコードはある。例えばリンダ・ロンシュタット。彼女のアルバムは評価が高い作品が多いが、中古レコード界ではそんなに評価が高くない。あとは、浜田省吾やサザンオールスターズなんかもお手頃価格だ。きっとたくさん売れたので、結構な数が流通しているのだろう。
昨日は、ディープ・パープルの「カム・テイスト・ザ・バンド」(1975)が1100円で売られているのを発見した。リッチー・ブラックモア脱退後にトミー・ボーリンを迎えて作った第4期ディープ・パープルのラストアルバムである。こういうのなら手を出しても罪悪感がない。というわけで、迷わず入手した。
さあて、タイトルの話にいくか。
最初というのはファーストアルバムのことで、最後というのはラストアルバムのことだ。ラストアルバムということは、その後解散しているということになる。まあ活動中止とかもしかしてこれがラストアルバムなのか?とかそんなんも含めてもいいことにしよう。
まず別格として挙げられるのが、きっとザ・ビートルズですよね?「プリーズ・プリーズ・ミー」(1963)から「アビイロード」(1969)とくれば(取り敢えず「レット・イット・ビー」は横に置いておく)、もう説明するまでもないか。瑞々しいロックンロールバンドが7年でここまで成熟したとなれば、今回のタイトルに相応しいと思う。
じゃあザ・キンクスは?ザ・フーは?ザ・ドアーズは?・・・って考えると僕が書こうとしているバンドの話にならないので、今回はやめておく。
僕が思いついたバンドは、ザ・ルースターズである。日本のバンドだ。1980年にバンド名を冠した「THE ROOSTES」でアルバムデビューした彼らは、1988年に「FOUR PIECES」でその活動をやめた。9年間で発表したアルバムは、10枚。中期には重要な12インチシングルも2枚発表している。
メンバーを書いておこう。
デビューアルバムの時は、大江慎也(ボーカル&ギター)、花田裕之(ギター)、井上富雄(ベース)、池畑潤二(ドラムス)である。

ラストアルバムの時のメンバーは、花田裕之(ボーカル&ギター)、下山淳(ギター&ボーカル)、穴井仁吉(ベース)、三原重夫(ドラムス)である。

見てお分かりのように、オリジナルメンバーは花田一人だけである。これらについては何回か記事にしたことがある。しかしザ・ルースターズに関しては、定期的に書きたくなるんだよね。
今日も書きたくなったので、無理矢理こんなタイトルをつけた。
デビューアルバムでのザ・ルースターズは、大江慎也の強いリーダーシップでグイグイと元気よくロックンロールしている。「グイグイと元気よく」というのは、つまり曲が速い、ということに尽きる。ブルースを速くしたのが、ロックンロールだとしたら、それをパンク通過後の彼らが、更に速くしたと言えよう。
これなんかどうだろう。「恋をしようよ」だ。
これは、マディ・ウォーターズの「アイ・ジャスト・ウォント・トゥ・メイク・ラブ・トゥ・ユー」をストーンズがデビューアルバムでテンポを速くしてカヴァーしたものを更に速くした曲である。決めゼリフは「オレはただアンタとやりたいだけ」である。完璧じゃないか。大江のギターのキレも凄まじい。高校時代は、只管練習をしていたと言っていた。この速さで演奏できるようになるまで、体育会系のノリで練習したんだろうな。
一方、ラストアルバムではこんな曲を演奏している。「再現できないジグソウ・パズル」である。下山淳の轟音ギターが鳴り響くザ・ルースターズ後期屈指の名曲だ。決めゼリフは「再現できないジグソウ・パズル」である。もう何もかも再現できないのである。悲しいけれどグッとくるセリフである。
一応強いリーダーシップを発揮していた大江慎也が残した最後の音源も紹介しておこう。「ヴィーナス」である。
「恋をしようよ」とは、声が全然違っている。あまりに生き急いだ彼は、精神に異常をきたし、復帰した頃にはこんな声になっていた。この歌い方は、その後更に変な声になる。それがまたいいんだけどね。
しかし、しかしである。ザ・ルースターズは、実は2004年にフジロックで演奏しているのだ。オリジナルメンバーで。これが一応解散ということになっている。でも、なんやかんや言ってその後も散発的にライヴをしていた。
けれど、花田が「これでザ・ルースターズを終わらせよう」とハッキリ決意して作ったのは、間違いなく「FOUR PIECES」である。だからこれをラストアルバムとして認定する、でいいと思う。
他にも「デビューの時からみると遠くまで来たものだ」と思えるバンドはたくさんあるだろうな。
今日はこれくらいにしとこう。いや、待て。チャック・ベリーのことも書き留めておくかな。彼の伝記映画みたいなのが、近日公開される。それは是非観たいと思って検索してみたら、なんと我が県で上映する映画館はなかった。ちょっと待ってよ。ブルース・スプリングスティーンの映画は近くのイオンシネマで観られたのに、こっちは観られないのか。とかなり残念に思った僕であった。
それでは。