頭の中でナイトクルージング

つい先日30何年ぶりに旧交を温めたwakabyさんが、彼のブログの中で「夏に聴くといい曲」の一つとして、フィッシュマンズの「ナイトクルージング」を紹介していた。曲をじっくり聴き、僕は「同じ境遇(双極性障害)の身としてはなかなか複雑な気持ちになった」とコメントした。wakabyさんは、「いつかhanamiがこの曲を聴いてどう思ったのか聞きたい」とコメントを返してくれた。

 

 

それを今日書こうと思う。時刻は午前3時。僕の頭はスッキリしている。

 

 

フィッシュマンズは、1987年に結成された日本のロックバンド。1991年にシングル「ひこうき」でメジャーデビューし、1995年にかけて5枚のアルバムを残す”

 

 

“キャリアを重ねるにつれ、レゲエやロックステディの要素に加え、ダブ、エレクトロニカ、ロック、ファンク、ヒップホップなどの要素を取り入れた独自のサウンドを構築していった”

 

 

“1995年、レコード会社の移籍後に発表した初のシングル「ナイトクルージング」がチャートインする。1996年のアルバム「空中キャンプ」は、一躍音楽業界において注目を集める”

 

 

“1999年、佐藤伸治が死去(享年33歳)。ほとんどの楽曲の作詞・作曲とヴォーカルを担当していた佐藤を失い、バンドとしての活動は休止を余儀なくされる・・・”

 

 

ざっとこんな感じのバンドだが、現在も断続的にバンド活動はしているし、海外からの評価が異常に高いバンドである(ここまでウィキペディアを参照)。

 

 

その佐藤伸治が、双極性障害だったらしい(未確認)。しかし、そういう目で(耳で)「ナイトクルージング」を聴いた僕は、「そうなんか・・・」と心の中で呟くだけだった。彼の何が僕をそんな気持ちにさせたんだろう?というのが今日の趣旨である。

 


www.youtube.com

 

 

「ナイトクルージング」の歌詞はこんな風に始まる。

 

 

“UP&DOWN UP&DOWN”

“SLOW FAST SLOW FAST”

 

 

もうここだけでグッとくるものがある。僕が穿った見方をしているのかもしれないが、思いっ切り、躁と鬱を短い言葉で表しているじゃないか。気分の上がり下がりとそれに伴う生活のスピード感をこの短い一節で表していると思った。ここを聴くだけでも結構つらい。違っとるかもしれんよ。もしかしたらこの一節は、都市に生きる者としての心情を歌ったものかもしれない。しかし僕には、躁と鬱に聴こえたんだ。

 

 

 

“だれのせいでもなくて イカれちまった夜に”

“あの娘は運び屋だった 夜道の足音遠くから聞こえる”

 

 

“だれのためでもなくて 暮らしてきたはずなのに”

“大事なこともあるさ あー天からの贈り物”

 

 

 

そんな佐藤は、精神的にはつらい夜を日々送っていた(と思われる)。しかし彼には希望もあった。それが運び屋である彼女の存在だ。佐藤に希望を届けてくれる存在。っていうか彼女そのものが希望だったのだろう。そのことを彼は「天からの贈り物」と歌っているように聴こえる。

 

 

 

僕はこの部分を聴いて、ルー・リードの「パーフェクト・デイ」を思い出した。その歌詞にも彼女が自分を繋ぎとめてくれるというかシャンとさせてくれる、という一節がある。調べてみっか。

 

 

 

「パーフェクト・デイ」

 

ただただ完璧な一日だ

公園でサングリアを飲んで

そして、その後 辺りが暗くなって、僕たちは家路に着く

ただただ完璧な一日

 

動物園で、動物にエサをあげて

それから映画でも観て、そして家に帰る

ああ、なんて完璧な一日だろう

 

そんな完璧な一日を君と一緒に過ごすことができて僕はとても嬉しいよ

君は僕をかろうじて生かしてくれている

君は僕をかろうじて生かしてくれている

ただただ完璧な一日

 

問題はすべて置き去りにして

僕たちだけの、週末の楽しみなんだ

ただただ完璧な一日

 

君は僕が何者であるかを忘れさせてくれる

何だか自分が、誰か別の善良な人間のように思えたんだ

ああ、なんて完璧な一日なんだろう

 

そんな完璧な一日を

君と一緒に過ごすことができて僕はとても嬉しいよ

 

君は僕をかろうじて生かしてくれている

 

自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない

自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない

自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない

自分の蒔いた種は、すべて刈り取らなくてはいけない

 


www.youtube.com

 

どうだろう?ちょっとテイストが似てない?誰にとってもそうなのかもしれないが、特に精神疾患を患っている人は、誰かに寄り添ってもらわないと生きていけないというのが僕の考えである。ルー・リード佐藤伸治精神疾患だとは言うつもりはないが、少なくとも自分は双極性障害で、傍にかけがえのない誰かがいないと困る。自分がどうなるか分からないからだ(←これは結構切実)。

 

 

 

もう1曲思い出した。JAGATARAの「都市生活者の夜」だ。これを書いた江戸アケミは、発狂して再びこの社会に舞い戻った時にこの歌を作っている(残念ながらその後メジャーデビューを果たした後に、バスタブの中で死ぬことになる。享年36歳)。以前に記事にしたこともあるし、長い歌詞だしどうしようと思ったが、載せちゃおう。

 

 

 

「都市生活者の夜」

 

人々が眠りにつくあいだに もう1人の自分がゆらり起き出す

人っ子一人居ない月夜の道を ただひたすらに走りつづける

 

さあ飛び乗ろう夢の列車に 夜のしじまに輝く星を

昨日は事実、今日は存在、明日は希望 昨日は事実、今日は存在、明日は希望

 

うしろからしがらみが追いかけてくるけれど そんなことは少しも問題じゃない

 

同じように月夜の下で 同じように足をならし

同じように月夜の下で 同じように足をならし

 

今は午前四時少し前 今は午前四時少し前

朝焼けを待ちわびながら 終わりのないダンスは続く

 

絆を失った砂漠の街で 小鳥たちのさえずりさえも消えて

都市生活者は笑いころげた 悲しいほどにただ笑いころげた

 

さあ飛び乗ろう夢の列車に 夜のしじまに輝く星を

まわりは宇宙的レベルで少しずつ変わってゆく

 

オレの言葉も空に舞ってゆっくりと弧をかき始める

昨日は事実、今日は存在、明日は希望 昨日は事実、今日は存在、明日は希望

 

子供たちの明るいざわめきが 街じゅうに響きわたるその日まで

オレは決して忘れはしない あの日のすべての出来事を

 

同じように月夜の下で 同じように足をならし

同じように月夜の下で 同じように足をならし

 

今は午前四時少し前 今は午前四時少し前

朝焼けを待ちわびながら 終わりのないダンスは続く

 

ほら、もう少しで君のゴールが あの娘が笑いながら近づいてくる

君の手を振ってみてごらん きっとわかってくれるはずさ

 

あの娘が笑いながら近づいてくる あの娘が笑いながら近づいてくる

 

人生は軽いフットワークさ 人生は軽いフットワークさ

オレは決して忘れはしない あの日のすべての出来事を

 


www.youtube.com

 

どうだろう?アケミは、「オレは決して忘れはしない あの日のすべての出来事を」とハッキリと発狂した日のことを歌っている(←僕の解釈)。アケミとしては希望を歌っているのかもしれないが、僕にとっては怖い歌詞だ。何かを言い聞かせようとしているように感じちゃうんだよね。彼の最期を知っているからそう思うのかもしれないけど。これは名曲だけど、その時の精神状態を考えて聴かなければいけない曲でもある。

 

 

とまあ、「ナイトクルージング」からは遠く離れてしまったかもしれないし、浅薄なことを書いてしまったかもしれないけれど、色々と考えることになった一日でした。

 

これもwakabyさんのおかげである。楽しい妄想をさせてくれてありがとう。また、音楽ネタを書いてね!

 

 

それでは。