只今14時30分。最近月曜日火曜日の僕には、文章の神様が降りてこない。しかし今日は何とかしたいものだと朝から頭の中でじたばたしていた。体は全然動かない。レコードもジャックスと山下達郎を聴いたっきりである。
昼は、作るのが邪魔くさかったのでレモンビスケットをつまみ食いしただけだ。いよいよ何もしない老人の生活になってきたか、いやいやまだそんな風にはなりたくはないと思い、ギタ練をちょびっとして、ファンヒーターをつけた。体が暖まれば何かできるかも、と思ったからだ。
そしてチャボ(仲井戸麗市)の新譜を聴いてみた。
気づいたら僕はキッチンに立って夕食を作っていた。竹輪ときゅうりの梅マヨ和えである。料理を作りながらもチャボが奏でる音楽を聴き、歌詞に耳をすます。
チャボの新譜「Experience」は昨年の12月25日に発売された。僕は1月に購入したっきりほうっておいた。何だかCDを聴く気になれなかった。それが昨日(今日みたいに何とかしなくっちゃと思い)、パソコンに取り込んでiPhoneに落として聴こうという気持ちになった。残念ながらiPhoneと今のパソコンは同期できなかった(←原因不明)けれど、チャボの新しい歌を聴くことができた。
彼の言葉はいつでも僕をハッとさせる。気になる言葉がたくさんあったが、序盤の2,3曲目を聴いてタイトルを思いついた。チャボも今年で75歳。デビューして今年で55年経つ。心に期するものがあったのだろうと思う。そしてこれはチャボの終活なのだと僕は思った。
2曲目のタイトルは「New Morning」。最初の歌詞はこんなのだ。
ヨーグルト バナナ コーンフレーク フレッシュジュース
それにコーヒー一杯で さぁまた新しい朝を
きっと今日こそ昨日より もっとちょっといい日になる
窓からの青空 太陽の微笑み
それにSweet Soulな Musicで さぁまた新しい朝を
きっと今日こそ昨日より もっとちょっといい日になる
Ah もう人生なんかに 寄り道してられない
Oh もう人生なんかに 言い訳してられない
タイトルはディランから引っ張ってきたのかな。チャボらしい言葉遣いで今日その日を大事に過ごしていこうぜと宣言している。そうなんだよな。文章の神様が降りてこないなんて言い訳をしてる場合じゃないな。3曲目はもっと切実に自分の人生が終盤に差し掛かっていることを歌っている。だってタイトルが「ホームストレッチ」っていうんだよ。
ホームストレッチ yeah yeah
ホームストレッチに さしかかったランナー
ホームストレッチ yeah yeah
ホームストレッチに さしかかったランナー
風は向かい風か 追い風か
ラストスパートか ギヴ ギヴ ギヴ アップか
サイゴのチカラ ふりしぼって
マラソンで言うと、陸上競技場に入って来て最後の直線にかかっている。人生のゴールまであと少しだ。チャボくらいの年齢になると誰でもそう思って生きているのだろうが、チャボはチャボらしくそのことを歌っている。
「サイゴのチカラふりしぼって」と歌っているくせに「風は向かい風か 追い風か」なんてまだ言ってるよ。チャボ、追い風に決まってんだろ、と思わず言いたくなる。
その後は、少年時代のことやエレキギターやビートルズに衝撃を受けたことなんかを歌っている。ボーナストラック4曲を含む2枚組20曲、いつものチャボ節で風のように歌っている。これを終活と呼ばずして何と言うのだ。
勿論これからもコンサートをするだろうし、アルバムを作るかもしれない(サイン会をするって書いてあった。あのチャボがサイン会だなんてこりゃ相当の覚悟だよね)。しかしハッキリと自身の終わりを自覚しながら活動していくのだろう。かっこいいったらありゃしない。
願わくば、最後にチャボが歌う姿を生で見たいと思う僕であった。俺、何回見たっけな。前に記事に書いた(チャボは親切だった、っていう記事)時(ソロ)だろ、その前にチャボバンドでやった時だろ、あとは麗蘭で金沢に来た時も見に行ったっけ。一応3形態のチャボを見たというわけだ。
それにしても「Experience」(=「経験」)というタイトルをつけたこの作品は、かなり気合を入れて作ったアルバムのはずだ。友部正人も昨年新しい作品を発表したけれど、1950年生まれの人でこれだけ質の高い作品を作ることができるのは、健康な体があってこそだと思う。
チャボは禁煙したのかな?
それでは。