キヨシローとミチロウ

キヨシローこと忌野清志郎、ミチロウこと遠藤ミチロウ。どちらも僕に多大な影響を与えた人物である。彼らのことは記事によく書いたが、2人いっぺんに書いたことはなかった。僕は2人には共通点があると思っている。今日はこれについて挑戦してみようと思っている。

 

 

まずは、歌詞(のさわり)を紹介してみよう。キヨシローは「スローバラード」(1976)、ミチロウは「ロマンチスト」(1982)にするかな。

 

 

♪スローバラード

昨日はクルマの中で寝た あの娘と手をつないで

市営グラウンドの駐車場 二人で毛布にくるまって

カーラジオから スローバラード

夜霧が窓をつつんで、悪い予感のかけらもないさ

 

 

 

♪ロマンチスト

何でもいいのさ 壊してしまえば おまえはいつでもアナーキスト

壊れていくのは てめえばかり ぬかみそになってオポチュニス

吐き気がするほどロマンチックだぜ 

誰でもいいのさ 手をつなげば おまえはいつでもコミュニスト

ゴキブリみたいに 数だけ増やし 手拍子とり出す スターリニスト

吐き気がするほどロマンチックだぜ

 

 

どうだろう?対照的と言ってもいい歌詞だが、どちらも今までにはなかった言葉遣いをしていると言えないだろうか?

 

 

清志郎の歌詞は、ドシドシ熱いラブソングだ。実際に体験したことを歌ったと言われている。しかしこの言葉遣いはどうだろう?まあ超名曲なんであらゆる人が解釈をしているが、それまで清志郎以外にこんな言葉遣いで歌った人はいないはずだ。

 

「市営グラウンドの駐車場」という言葉がロックバラードの歌詞として見事に成立している。そして「悪い予感のかけらもないさ」と締めくくる。僕は考えに考え抜いて選ばれた歌詞だと思って聴いている。

 

 

 

一方ミチロウの歌詞は、パンクとしかいいようのないものになっている。もともとは「主義者(イスト)」というタイトルで歌われていたものだ。さまざまな思想(イスト)を持って他人を排斥あるいはオルグしようとする人たちを次々とぶった切っている。このぶった切り方は知性がないとできない。

 

そして決めゼリフは「吐き気がするほどロマンチックだぜ」である。ミチロウは決めゼリフ(サビになるところ)を言うのが上手い。「吐き気がするほどロマンチックだぜ」は、中高の若きパンク初心者が聞いたらグサッと刺さるかな(わざとだと思うけれど少し青臭い気がする)。この1曲でミチロウ率いるザ・スターリンはメジャーで暴れまわることになった。

 

 

 

 

「今までになかった言葉遣い」という切り口で歌詞について書いてみたが、ライブパフォーマンスにも同様のことが言える。両者はこれまた対照的なライブだったが、共通しているのは、観客とのコミュニケーションをどうにかしたい、という強い思いである。

 

 

キヨシローは、自身をデフォルメしてコンサートのコール&レスポンスを成立させた。「愛し合ってるかい?」という決めゼリフを執拗に繰り返し、遂には日本全国に広めることとなった。まあ、フォーク時代から観客を毒づいていた清志郎だから、どうやって客とコミュニケートすればいいのかについては早くから考えていたのだと思う。そして売れるために「愛し合ってるかい?」を代表とする言葉遣いだったり動きだったりを考え出したのだ。「ドシドシ熱いラブソング」なんて言葉は存在しなかったもんね。すごい発明だと思う。

 

 

 

一方ミチロウはというと、こちらもフォーク時代を経て、色々な試行錯誤を重ねた末に、客席にゴミや臓物をぶちまける、自身は全裸になって客席に飛び込むなどという過激なスタイルを確立する。

 

こんなスタイルで全国を回り、回った途端出入り禁止になるというライブを繰り広げ、瞬く間にパンクを代表する存在になった。かつて、インタビューでは「客席がシーンとしていることにイラっときて、ゴミ箱をぶちまけたんだよ。そしたら客が驚いて出口まで逃げちゃったんだ。そこから今のスタイルが始まったんだ」と言っていた。

 

 

 

キヨシローもミチロウもコンサートで観客とどうコミュニケートするかで悩み、それぞれのスタイルになった。スタイルは正反対だが、考えるベクトルは同じだったと僕は思っている。

 

 

 

歌詞というか言葉遣いに対する意識とライブにおける考え方において2人は共通していた。加えて2人ともきついメイクをしてステージに上がっていたことも特筆すべき共通点だと思う。

 

 

 

尻切れトンボっぽくなるけど、そろそろ考えるエネルギーがなくなってきた。今日はこれくらいにしておこう。今度いつ書けるかも分からないことだしね。

 

 

 

 

それでは。

 

 


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