23日金曜日正午から16時までの僕の動きを書き留めておこう。「沼にハマった?」という記事のその後のことだ。
くそ暑い中、僕は外出した。目的地はハードオフである。午前中に真空管アンプの知識を詰め込んでから、現物があるかもしれないと思い見に行ったのだ。
果たしてそれはガラスケースの中に収められていた。メーカーは午前中に見た動画でも紹介されていたものだった。値段は高い。しかしかっこいいし小さくて可愛い。僕は店員さんのところに行き、動作確認をしてくれるか尋ねた。
「できますよ。ちょっと待っててくださいね」。その店員は僕がここでレコードを時たま買っていることを知っていた。しばらくすると店内放送で呼ばれた。
音を聴く。いい音だ。でも店で聴いてもホントのところは分からないしな。どうしよう。大枚はたいて買っても大丈夫な代物なのだろうか?「これ、前は僕が持ってたものなんですよ。古いスピーカーに繋ぐといい音が鳴ると思います」と店員がセールストークを始める。「それとフォノイコライザーはプレーヤーについていますか?ついてないと鳴りませんよ」「ああ、それは大丈夫だったと思います」とややグレーな答え方をしてしまった。
僕は、「しばらくここ(レジカウンター)に置いてといてもらえませんか?もし次来たときはお金を握りしめていると思いますから」と言い、店を出た。どうしよう。ここはひとつ、相談だ。コーヒー屋に行こう。
コーヒー屋では、お客さんが作った真空管アンプで店内のBGMを鳴らしている。マスターはこの前真空管を入手するのが難しくなっていると言っていたからアンプについても詳しいはずだ
コーヒー屋でコーヒー豆を注文してから早速タイミングを見てマスターに質問する。マスターは「そのメーカーの物がそれくらいの値段なら買いだと思う。このアンプ、部品だけでも10万以上するからね」と店の真空管アンプを指さして言った。それを聞いて僕は決心した。買うしかあるまい。
スーパーに行き、ATMに行き、ハードオフに戻った。カウンターに置いてあったアンプは箱詰めされていた。もう買うって見抜かれていたのかなあ。お金を払い、車にアンプを運んでもらい帰途に着く。家に運ぶときにあまりの重さにたまげた。こんなに小さいのに、何だこの重さは。
家に帰り、食材を冷蔵庫の中に入れ、早速箱を開ける。さあ接続だ。丁寧に確かめながらケーブルを繋ぐ。これでどうだ?大丈夫だよね。
スイッチを入れ、レコードプレーヤーを動かす。しかし音は鳴らなかった。というか小さく小さく鳴っているだけだ。すぐに僕は「プレーヤーにはフォノイコライザーがついてなかったんだ」と思い至る。仕方がない。今日のところは諦めるしかない。ケーブルを元に戻し、早速フォノイコライザーの勉強開始だ。
ピンからキリまであるのは分かった。まあ様子見ということで、Amazonでリーズナブルなやつを注文し、RCAケーブル、バナナプラグとともに購入した。
それが届いたのが昨日だった。午前中に届いたので、すぐに繋げてみる。繋げ方を確認し、再度スイッチを入れる。そしたら得も言われぬ音が鳴り始めた。いや、ちょっと違うか。最初は正直言ってよく分からなかったんだ。
しかしレコードをとっかえひっかえして聴いているうちに素晴らしい音だということが分かった。コーヒー屋のマスターが「今まで聴こえなかった音が聴こえる」と言っていたが確かにそうだった。
乱暴に言うと、タイトルにある言葉だ。何だか音の鳴り方に余裕がある。高音域でもキイキイしないっていうの?まだまだ余力はあるよ、ってそんな感じだ。それに一音一音の質がものすごく高い。人間で言うと肌がツルピカでプルプルしている。
というわけでTRIODE(トライオード)のPearlという機種がこれからの僕の相棒となった。このメーカーの下位機種になるが、僕にとってはハイエンドというか、高級オーディオである。これでスピーカーとアンプが揃った。あとはレコードプレーヤーか。もうこうなったらつべこべ言わずに邁進するしかないな。まあ、だいぶ後のことになるだろうけれど。
おっと忘れてた。CDの音も劇的に良くなったんだった。僕んちのお粗末なCD環境でもハッキリと分かるくらいグワーッっと音が前面に出るようになったし、音もクリアになった。
それでは。