アメリカを代表する作家

今日は、ロバート・B・パーカーについて書いてみたい。だって只今午前1時だよ。それなのに目がらんらんとしているから眠くなるまで、何かしなくちゃいけないじゃない。4時間しか寝てないから、そのうちきっと眠くなるはずである。

 

 

 

ロバート・B・パーカーは、アメリカ出身の小説家で、1973年から2010年まで執筆活動を続けた。36年間である。36年間、毎年作品を発表し続けたのだ。そして2010年1月18日心臓発作を起こし、急死した。77歳だった。執筆作業の途中だったらしい(←ちょっと自信がない)

 

 

ウィキを読んでいて気になったのは、妻のジョウンも同じ年に亡くなっていることだ。やはりパーカーの死と関係があるのだろうか。パーカーは作品の最初に必ずジョウンに対する愛を述べていた。

 

 

パーカーの話に戻ろう。彼は、1973年に私立探偵スペンサーを主人公としたハードボイルド作品「ゴッドウルフの行方」で小説家デビューした。以後、スペンサー・シリーズは彼が亡くなるまでずっと、ずぅ~っと続くことになる。また、後年になってこのシリーズに加え、ジェッシイ・ストーン・シリーズ、サニー・ランドル・シリーズを発表することになる。

 

 

ここらで彼がどれくらい凄まじく仕事をしていたのかを思い切って書いてみよう。といっても調べながらなんだけどね。小説部門だけ書いておくかな。覚悟してね。俺も覚悟する。

 

 

S=スペンサー・シリーズ

JS=ジェッシイ・ストーン・シリーズ

SR=サニー・ランドル・シリーズ

他=その他の作品

 

 

1973年:ゴッドウルフの行方(S1)

1974年:誘拐(S2)

1975年:失投(S3)

1976年:約束の地(S4)

1978年:ユダの山羊(S5)銃撃の森(他)

1980年:レイチェル・ウォレスを探せ(S6)初秋(S7)

1981年:残酷な土地(S8)

1982年:儀式(S9)

1983年:拡がる環(S10)愛と名誉のために(他)

1984年:告別(S11)

1985年:キャッツキルの鷲(S12)

1986年:海馬を馴らす(S13)

1987年:蒼ざめた王たち(S14)

1988年:真紅の歓び(S15)

1989年:プレイメイツ(S16)プードル・スプリングス物語(他)

1990年:スターダスト(S17)

1991年:晩秋(S18)夢を見るかもしれない(他)

1992年:ダブル・デュースの対決(S19)

1993年:ペイパー・ドール(S20)

1994年:歩く影(S21)過ぎ去りし日々(他)

1995年:虚空(S22)

1996年:チャンス(S23)

1997年:悪党(S24)暗夜を渉る(JS1)

1998年:忍び寄る牙(JS2)突然の災禍(S25)

1999年:沈黙(S26)家族の名誉(SR1)

2000年:二度目の破滅(SR2)ハガーマガーを守れ(S27)

2001年:ガンマンの伝説(他)湖水に消える(JS3)ポットショットの銃弾(S28)

2002年:笑う未亡人(S29)束縛(SR3)

2003年:真相(S30)影に潜む(JS4)

2004年:背信(S31)メランコリー・ベイビー(SR4)ダブルプレー(他)

2005年:冷たい銃声(S32)アパルーサの決闘(他)スクールデイズ(S33)

2006年:ドリームガール(S34)訣別の海(JS5)虚栄(SR5)

2007年:秘められた貌(JS6)殺意のコイン(SR6)昔日(S35)われらがアウルズ(他)

2008年:容赦なき牙(JS7)勇気の季節(他)灰色の嵐(S36)れソリューションの対決(他)

2009年:ブリムストーンの激突(他)未訳作品、プロフェッショナル(S38)夜も昼も(JS8)

2010年:暁に立つ(JS9)未訳作品、盗まれた貴婦人(S39)

2011年:春嵐(S40)

 

 

あんまりたくさんあり過ぎて途中で1回寝ちゃったよ。これがロバートが残した小説群だ。スペンサー・シリーズ40作、ジェッシイ・ストーン・シリーズ9作、サニー・ランドル・シリーズ5作だ。77歳まで書き続けるというのは一体全体どういうことなのだろうか。

 

 

特に1990年代末から毎年複数の作品が刊行されていることが分かると思う。脂の乗り切った時期でもあったのだろう。それに自分があとどれくらい小説を書けるかとも思ったのだろう。

 

 

もうひとつ僕はスペンサー・シリーズのこともあると思っている。1973年から始まったこのシリーズは20年経ってもほぼ毎年刊行されている。その間いろいろな批判はあったものの、1990年代末にはある一定の評価を得るか、まあスペンサーだからしょうがないか、と思っている人が多かったのではないだろうか。スペンサーとスーザンとの愛を波乱にとんだ展開で育んできた。パーカー自身インタビューで「スペンサー・シリーズは愛について書いた物語だ」と話している。

 

 

その波乱も作を重ねるごとに次第に落ち着いてきた。要は完成しちゃったのだ。そのことにパーカーはイラついたのではないだろうか。現実はそんなもんじゃない(勿論だ)と思ったのではないだろうか。

 

 

そこで新しいキャラクターを作って物語を作ることにした。それがジェッシイ・ストーン・シリーズである。

 

 

ストーンは西海岸で警官をしていた。腕はよかった。しかし妻との仲が上手くいかなくて、アルコール依存症になってしまう。待っていたのは馘宣告だ。東海岸の小さな町に警察署長として赴くことになったストーンだが、彼を待ち受けていたものは・・・、という話だ。

 

 

その2年後にサニー・ランドル・シリーズが始まる。こちらも問題を抱えていた。サニーは元警官で今は私立探偵をしている。しかし夫は裏社会に通じた仕事をしていた。その夫とは別れたが、未だに忘れることができない。そんなサニーだが、私立探偵としての腕は確かだ。

 

 

この2作品に通底しているのはやはり愛である。主人公自身も愛に対する問題を抱えつつ仕事(事件もまた愛に関するものが多い)を全うする2人に多くの読者は共感しただろう。

 

 

というわけでパーカーは見事に再生した。並行してスペンサー・シリーズも順調に書いている。こうして10年強の長きにわたって3つの物語が生まれ、時に交錯することもあった。ジェッシイ・ストーンとサニー・ランドルが恋仲になっちゃったりするもんだから「それはやり過ぎだろう」という声もきっと挙がったことだろう。でも外野の声なんてパーカーにとってはどうでもいいことだったのだろう。

 

 

 

長きにわたって愛について語る物語を紡ぎ出す。ハッピーなこともあればそうでないこと(こちらの方が圧倒的に多い)もある。こういうのってアメリカじゃない?っていう風に僕は思った。

 

 

だからロバート・B・パーカーは死後も尚、アメリカを代表する作家だと思った次第である。

 

 

 

 

 

 

今日は大谷選手がやってくれた。その瞬間を見ることができて僕はとても気分が良い。世界中の大谷ファンもそうだろう。

 

 

 

それでは。