どえらい曲になったもんだ

斉藤和義のことは嫌いじゃない。むしろ好きな方だ。でも今日は悪口を書いちゃうぞ。先日30周年記念ライヴの映像がWOWOWで放送されていた。それを昨日たまたま気が向いて見たんだけれど、5曲くらいでやめちゃった(「歌うたいのバラッド」の途中で)。理由は面白くなかったからだ。面白くないってお前、コンサートにそんなのあるのか?と訊かれそうだが、うん、確かに面白くなかった。

 

 

1曲目2曲は「COME ON」「ずっと好きだった」という定番中の定番曲だった。その時点で面白くなかったんだよね。人気曲でノリノリになるはずの曲なのに。はっきり言うと、惰性でやってるように見えたんだよ。一生懸命やっているアーティストにかなり失礼な物言いなんだけど。そこで僕が思ったのがタイトルに書いてあることだ。まだこれじゃあ分からないよね。

 

 

 

タイトルを正確に書くと、ザ・ローリング・ストーンズの「サティスファクション」はどえらい曲になったもんだ、である。昨日の夜、斉藤和義のコンサートを見てこう思ったわけである。今日のテーマはこれだ。一応言っておくが僕は「サティスファクション」は嫌いではないが、特に好きな曲でもない。

 

 

 

「サティスファクション」は、1965年に発表されたストーンズの代表曲の一つである。ということはコンサートでは必ず演奏されていたと言ってもいい曲である。大体はコンサートの終盤、或いはアンコールで演奏されることが多かったように思う。

 

 

 

ポール・マッカートニーは2001年にインタビューで「毎回ライヴで『イエスタデイ』を求められて苦痛ではないのか?」と質問され、「ローリング・ストーンズのライヴに行って、『サティスファクション』が演奏されなかったら、客は満足しないだろう」と返答している。つまりはそういう曲なのだ。

 

 

 

しかし、ストーンズは明らかに「サティスファクション」を演奏することに飽き飽きしていた時期があるはずだ。他のアーティストも新曲をやりたいのに昔のヒット曲を求められるジレンマを感じたことは1度や2度ではない(はず)。

 

 

 

僕は、例えば「ラヴ・ユー・ライヴ」(1977)の「サティスファクション」は聴かない。「スティル・ライフ」(1982)の「サティスファクション」は微妙だ。微妙だというのは、確か映画ではこの曲の途中にファンがキースのところに押しかける、それを察知したキースが素早くギターのストラップを外し、ギターでファンをぶん殴る、という場面があったからだ。これには痺れた。しかし、2008年に発表された「シャイン・ア・ライト」の「サティスファクション」は聴きたい。(ごめん、調べたら「ラヴ・ユー・ライヴ」には収録されていなかったし、「シャイン・ア・ライト」で演奏しているかは分からなかった)

 

 

 

いい機会だからアップルミュージックでストーンズの「サティスファクション」ライヴヴァージョンを聴いてみよう。

 

 

 

1991年「フラッシュポイント」のヴァージョンはなかなかいける。「ヴ―ドゥー・ラウンジ」のライヴ盤(1995)では中盤にやっている。これはちょっと軽く聴こえるな。2004年の「ライヴ・リックス」は7曲目だ。これもそんなにグッとこないな。「ブリッジ・トゥ・バビロン」ツアーでは1曲目だ。これはちょっといいかもしれない。時系列がぐちゃぐちゃになってきたけど「スティール・ホイールズ」ツアーのヴァージョンも聴いてみた。だめだ、もうわけが分からなくなってきたな。

 

 

 

頭の中を整理しよう。ヒット曲にはまず「ヒットしました!これが今のイチオシです」時代がある。この時期は一所懸命やっているし、鮮度もあるからいい。しかし、何年も経ちその曲を何百回、何千回と演奏しているともう鮮度もないし、ただのルーティンになってしまうけど、客はそれを求めている。「しゃーない、やるか」時代の始まりである。

 

 

 

それが何年も続き、それでもまた何年も続き、果ては何十年も続くととんでもない曲になる可能性があって、それを実現しているのが「サティスファクション」という曲じゃなかろうかと思うのだ。

 

 

 

僕は、ストーンズキューバでコンサートをした時(2016年)の映像を去年見たんだけども、その時はとても感動したんだよね。「サティスファクション」も遂にここまできたかって。曲の速さは他のライヴヴァージョンよりもゆったりしている。みんな余裕しゃくしゃくで演奏している。でも何とも言えないグルーヴィーさを感じたんだよね。初めて積極的にこの曲を心から好きになった瞬間だった。

 

 

 

2023年に発表された「GRRR Live!」でもそんな余裕しゃくしゃくの「サティスファクション」を聴くことができた。1965年に発表された曲を50年何後におんなじメンバーで演奏して新たな息吹を与えるなんてすごくない?「最新作が最高傑作です」っていう言葉を聞くことがある。それは一理あるし、言いたい気持ちも分かる。でも逆に「サティスファクション」のような幸せな曲も実在する。他にもあるはずだ。

 

 

 

だからチャーリー亡き今、この曲がどうなっているのかは分からないし、ちょっと聴くのが怖い。キースも最近リウマチで苦しんでるって聞いたしな。

 

 

 

斉藤和義の悪口から書いたから最後も彼で締めよう。斉藤和義、57歳。まだまだ生きてライヴもガンガンやって、昔の曲を輝かせてくれ。

 

 

 

おっと最後と言ったがこれも書いとかなきゃ。今度こそ最後ね。日本で上手くいってる曲は、僕は佐野元春の「アンジェリーナ」じゃないかな、と思っている。ちょっとしたイントロをつけたあたりからあの曲が再び輝き出してきたと思うのは僕だけかな?

 

 

 

それでは。

 


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