今hanamiが考えるファンキーなヤツって誰だ?ふふふ、早速紹介しよう。それはロバート・パーマーです。彼のファースト・ソロ・アルバムが素晴らしいのなんのって。俺やっぱりこっち方面も捨てがたいな。なんてったってリズム隊が最高である。特にベースを聴きながらウットリしている。
ファースト・ソロ・アルバムのタイトルは「スニ―キン・サリ―・スルー・ジ・アリ―」、1974年(パーマー25歳)に発表された。彼はイギリス人なのに、なんでこんなアメリカ南部チックな音楽に入れ込んだのかはよく分からない。参加メンバーはすごいよ。全部書いちゃうね。
まずはニューヨークからリチャード・ティー(Key)、コーネル・デュプリー(G)、ゴードン・エドワーズ(Dr)、バーナード・パーディ(Dr)でしょ、ニューオーリンズの方はミーターズからアト・ネヴィル(Key)、レオ・ノセンテリ(G)、ジギー・モデリステ(Dr)、リトル・フィートからローウェル・ジョージ(G)だよ。全員は知らんが俺でも凄いメンツだっていうのは分かるぞ。
曲を紹介してみよう。全8曲36分である。
- セイリン・シューズ
- ヘイ・ジュリア
- スニ―キン・サリ―・スルー・ジ・アリ―
- ゲット・アウトサイド
- ブラックメイル
- ハウ・マッチ・ファン
- フロム・ア・ウィスパー・トゥ・ア・スクリーム
- スルー・イット・オール・ゼアーズ・ユー
「セイリン・シューズ」はリトル・フィートのカヴァー。オリジナルは1972年発表。オリジナルよりリズムがうねうねしている。1曲目にこの「セイリン・シューズ」ということは、このアルバムはこのサウンドでいくよ!という宣言のように聴こえる。
↓↓↓ こちらはリトル・フィートの「セイリン・シューズ」
↓↓↓ こちらがロバート・パーマーの「セイリン・シューズ」 ファンキーでしょ?
「ヘイ・ジュリア」はパーマーのオリジナル。1曲目から繋ぎ目なしで直ぐに始まるのがかっこいい。こちらもベースがうねっているのがいい。いや、ギターも鍵盤もアメリカ南部な感じでかっこいいよ。
「スニ―キン・サリ―・スルー・ジ・アリ―」はアラン・トゥーサン作。またしても曲間がない。最初からの3曲は1曲として聴くと堪らないですぜ。どれも短い曲だから楽しめると思うよ。ベースが相変わらず素晴らしいが鍵盤もいい味出してる。パーマーのヴォーカルも熱が入っていていいのだが、どうしてもバックの演奏に耳がいってしまう。ほんとに上手いなー。
「ゲット・アウトサイド」はパーマーのオリジナル。ここでやっと一息つける。最初のベースの旋律が印象的。そこからドラムやピアノが絡んでくる。薄く聴こえるスライドギターがローウェル・ジョージなのかな。ルーズな感じでリトル・フィートのアウトテイクみたいな曲。
「ブラックメイル」はパーマーとローウェル・ジョージの共作。その割に印象が薄いな。威勢はいいよ。
「ハウ・マッチ・ファン」からレコードのB面。パーマーのオリジナル。ピアノがリトル・フィートしている。それにしてもさっきから曲のよさというより演奏の素晴らしさに耳を傾けているな。パーマーのオリジナルの中では一番好きかな。
「フロム・ア・ウィスパー・トゥ・ア・スクリーム」はアラン・トゥーサン作。ここまではほとんど勢いで演奏してるように聴こえたけど、この曲はじっくり聴かせるタイプの曲だな。それにしてもここまでベースしか聴いてないんじゃないかな、俺。
「スルー・イット・オール・ゼアーズ・ユー」はパーマーのオリジナル。12分を超えるジャム風の曲。アルバム全36分のうち3分の1の12分を使っているだけあってアルバムの最後を飾るのに相応しい曲である。5分過ぎから段々演奏が盛り上がってくる(特にドラム)。そこから延々続くジャムセッションが最高。このアルバムの白眉だろう。この曲が終わったらまた最初から聴きたくなるもん。
とかエラソーに書いてあるが、曲の感想(例によって「かっこいい」と「素晴らしい」のオンパレードだ)以外の情報はヤフーニュースに書いてあったことの受け売りばかりだ。一昨日偶然ロバート・パーマーの記事を見つけ、そのままアップルミュージックで検索して取り込んで、早速今朝から聴いているというわけだ。昨日はキャロル・キングとカーリー・サイモンの日だったのにほんとに不実な奴だな、俺って。
でもこの作品はまっくろくろのブラック・ミュージックはちょっと苦手だなあという人でもイケると思う。参加ミュージシャンはさっきも書いたがバリバリの人達ばかりで何でこんなにすごいメンツが集まったのか不思議だ。パーマーが前にやっていたバンドが評価されていたのかな。
僕はMTV全盛期に女子を侍らせて歌うパーマーか、ザ・パワー・ステーションで「ゲット・イット・オン」とかを歌うパーマーの姿しか知らなかった。きっと昔はお洒落な音楽をやってたんだろうな、くらいの認識しかなかったので、このアルバムは結構衝撃的だった。ソロキャリアの最初はこれだったのか。
こういうヴォーカルは、ほんとここ1,2年で普通に聴くようになったな。例えば?誰だろう。トッド・ラングレン?アル・クーパー?ダリル・ホール?そんな感じかな。でもこの3者より熱い感じがするな。そしてよりファンキーだ、と思う。
そしてこのファンキーさはパーカー自身が産み出したものだと思われる。どれだけ凄いメンツが揃ってもこのアルバムの青写真を描いていたのはパーカー自身に他ならないということだ。これって凄いプレイヤーに「ああしろ、こうしろ」って言わなければいけない場面がきっとあるだろうし、なかなかできることじゃないと思うんだけど、どう思う?
ちょっと急いで聴きすぎたかもしれないが、ロバート・パーマー、僕のイメージと違っていたな。もしかしたらデュラン・デュランのアンディ・テイラーはすごい慧眼の持ち主だったのかもしれない。1984年の時点でザ・パワー・ステーションのヴォーカルとしてパーマーを迎えたのはすごい。と思って検索してみたら、アンディの憧れの人だったんだって、ロバート・パーマー。そうか、人気あったんだ。
今一度「セイリン・シューズ」をリトル・フィートのオリジナルと聴き比べてみたが、これはあれかな?ブルースを白人が真似た(いや、自分達流に演奏した)ように、アメリカ南部の音を自分流にやってみたかったのかなって思った。
さあて、1週間が始まるぞー。