hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

ベタなロックに乾杯!~「20世紀ロック」~

僕の高校時代は初め無気力で、段々上向きになっていったということを昔書いたことがある。その無気力時代から聴いていたのが暗黒ロック(←勝手に僕が名付けた)である。当時はアヴァンギャルド・ミュージックなんて言ってたかな。その響きに新しさを感じ、いろいろなグループに手を伸ばしてみたものだ。キャバレー・ボルテールとかね。

 

その時に一番聴いていたのがポップ・グループである。彼らのセカンドアルバム「For How Much Longer Do We Tolerate Murder?」(1980)がリリースされるという記事を読み、「これは凄そうだ」と思い、即決で購入した(ジャケットを気に入ったのもある)。それにしてもよくこんなアルバムが地方の田舎で発売されていたものだ。

 

1980年ということは僕は16歳である。つまりは高1である。さっきこのアルバムを聴いてみた。約40年ぶりだ。これが意外にも良かった。昔、無理して聴いていた頃と比べ、全然違和感なく聴くことができた。間違いなくパンクを通過して生まれた音だと思うが、僕にはファンキーに聴こえた。ちょっと調べてみようかな。

 

「ザ・ポップ・グループ(1978年結成―1981年解散、2010年再結成)は、イギリスのブリストル出身のポスト・パンクバンドである。その妥協を知らない不協和な音は、パンク・ロックフリー・ジャズ、ダブの間を橋渡しするものである。彼らの歌詞は(そうではない方が多いが)政治的な性格を有している」(by ウィキ)

 

このアルバムからラフ・トレイドと契約してたんだ。懐かしいな、ラフ・トレイド。そこから出しているというだけで買ったレコードも結構あったと思うんだよね。何を買ったかは忘れたけど。

 

 

何故僕が急にポップ・グループなんていうグループを聴いたかというと「20世紀ロック」というYouTube番組で紹介されていたからである。この番組は偶然見つけたんだけど、取り扱うミュージシャンがほんとにもう僕の好きな人が目白押しで驚くやら嬉しいやらで自分の中で今大変盛り上がっているのだ。昨日の午前中にはジョン・レノンからポール・マッカートニーニール・ヤングYouTubeを見ていたと書いたが、午後は「20世紀ロック」にどっぷりと浸かっていた。

 

ポップ・グループが登場した回は「ポストパンク、ニューウェイヴの逆襲」と題されていたような気がする。時は1980年前後。紹介されたバンドは以下の5つである。全部聴いてみた。以下のコメントは番組を作っているダイラさんの言葉(大意)。←から後は僕のコメント。

 

ポップ・グループ」・・・1曲目は確実にリスナーの想像を超えてくる。ローザ・ルクセンブルグは確実に影響を受けているはず。彼らのファーストアルバム「ぷりぷり」のギターやベースに顕著。


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「PIGBAG」・・・ポップ・グループから派生したグループ。1曲目「Getting Up」がおすすめ。←俺、1982年のデビューアルバム(「ドクター・ヘッケル・アンド・ミスター・ジャイヴ」)、買ったような記憶があるんだがなあ。でも1曲目がどうとかは全然覚えてないや。当時このかっこよさが分からなかったのだろうか?これは今聴いてもかっこいいぞ。


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the slits」・・・圧倒的なリズムアンサンブル。全然レゲエを消化していないところが得も言われぬグルーヴを生み出している。デビューアルバム「Cut」(1979)からは「Love Und Romance」がおすすめ。←うーん、もしかしたらここからレインコーツなんかに繋がっていったのだろうか?

 

「P.I.L」・・・3枚目の「フラワーズ・オブ・ロマンス」(1981)はポストパンクど真ん中。もはや理屈の入る余地なし。原始のリズム、新しきロックの光と道。ラストの「フランシス・マサカー」がおすすめ。宗教儀式のエネルギーを感じる。←「フラワーズ・オブ・ロマンス」については記事に書いたことがあるぞ。

 

hanami1294.hatenablog.com

 

Bow Wow Wow」・・・徹頭徹尾ジャングルビート。このリズム、元はアダム・アンド・ジ・アンツが初めだけどベースの存在感が異常。ジャングルボーイから聴くとよい。全力で推せる名盤。←そうか、バウワウワウかぁ。俺、買ったな。当時チャラついて聴こえたのをかすかに覚えている。すかしてたんだね、きっと。今、アップルミュージックにこのデビューアルバム「ジャングルでファン・ファン・ファン」(1981)がないんだよね。ちょっと残念。

 

 

1980年に高1ということは、1981年は高2で、1982年は高3ということになる。スリッツを抜かして全部高校時代に聴いていたことになる。高2の小僧に「フラワーズ・オブ・ロマンス」なんか分かったのだろうか。分かるってのも変か。いや、あの時の衝撃は今でも残っているし、今聴いてもその威力は全然変わらない。

 

 

「20世紀ロック」に話を戻そう。この番組は「〇〇のアルバムをランク付けしてみよう!」「〇〇の10曲!」「アルバム〇〇全曲紹介」など、面白い企画が目白押しなのだ。そんで、〇〇にはルー・リードとかドアーズとかキング・クリムゾンとかデヴィッド・ボウイとかローリング・ストーンズとかロキシー・ミュージックとかザ・ジャムとかザ・ルースターズとかザ・ストリート・スライダーズとかレット・イット・ブリードなんかが入っちゃうのだ。他にも滅茶苦茶たくさんのアーティストを取り上げてる。楽しくないはずがない。「遠藤ミチロウを偲ぶ会」なんてのもやっちゃってるのだ。

 

これは、あれである。僕がJUNさんとリモート飲み会をしているのに似ている。延々好きなミュージシャンのことについて語っている状態がこれでもかとばかり続くのだ。またダイラさんの喋りはテンポがよくて聞いていて気持ちがいい。ホントはお酒を飲みながらゆっくり見たいところだが、今の僕は赤ワイン1杯くらいが限度なので、そこは我慢して、これからゆっくりと楽しみたいと思っている。いやあ、素敵な番組を見つけちゃったよ。

 

それにしてもダイラさんは「20世紀ロック普及委員会」っていうスタンスでガンガン番組を作っている凄い人だということがよ~く分かったが、こういう発想って自分にはなかったな。僕は只々自分のお気に入りの人なりアルバムなりをつらつら書いているだけだ。もしかしたら子どもがいないことも関係しているかもしれない。

 

 

というわけでワクワクする番組を見つけちゃった3連休なのであった。「それでは今日はこの辺で。ベタなロックに乾杯!」←ダイラさんの番組の締めの言葉。