hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

冬眠日記その59 ~人事考課の巻~

春一番も吹いたことだし、そろそろ冬眠日記じゃなくなってるな、と思った矢先の雪である。どうも週末まで降り続くらしい。今まで来るぞ来るぞ、と言われながら僕の住んでいる地域ではそこまでの大雪にならなかったが、いよいよ来るかもしれない。今度こそ今年一番の寒気らしい。明日の朝は早起き決定だ。

 

 

今日何気なく職員室の引き出しを開けたら、人事考課の表が入っていた。ああ、そういえばこの前校長からもらったよなあ、と思い眺めてみると結構面白かった。今年度の無気力さがよく分かる。とか言いながらも僕は教員32年目の年だったんだ。ちょっと恥ずかしい。32年目ということは25歳で講師をしていた時から勘定されていることになる。もしかしたらこのままネタになるかもしれないから書いてみよう。

 

・学校経営計画に対する本人の取組目標

「『主体的・対話的で深い学び』の視点から授業改善に努め、指導力向上に努める」

→いきなり「努める」を2回使っている。文章として最悪だ。読み返さなかったのだろうか。ここは、4月1日に校長が喋った学校経営計画から一部を抜粋したはずだ。特に自分らしさはない。

 

・今年度の目標

「社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考える力を育てる」

→僕は社会科専科になったのだが、正直社会科で児童の何を育てていけばいいのか分からなかった。だからここは学習指導要領からの抜粋だ。いきなり2つ続けて取組目標が自分の言葉で書かれていないよ~。

 

・目標達成のための方策

「授業を構成する力を高めるための教材研究に取り組む」

「生徒指導の三機能を意識した授業づくりに取り組む」

→少しは自分らしくなってきた。しかし最初の方策は何だ?お前は初任か?っていうくらい基本的なことを書いている。2つ目はこれを書いてから教委も同じことを何かの文書で通達していたから、よし、そうだよなって思った記憶がある。

 

・校長のコメント

「社会科の教科担任として教材研究を深め、授業を通して児童の『見方・考え方』を育成し、社会を多角的・多面的に考察できる児童を育成していくよう指導した」

「級外として学級担任と連携しながら、それぞれの学級のよさを伸長できるように取り組んでいくことを望む」

→特に書くことはないな。しかし校長のコメントをこんな記事に載せていいものだろうか。いいことにしよう。

 

 

・自己評価(9月)

「板書計画を基に、授業の構成を考えることができた。しかし『知識・理解』の学習に偏りがちになり、児童の『主体的な学び』を引き出す機会が少なかった」

→要は「教え込みの授業」をしていたということだ。でもなあ、6年生の歴史なんて特にキツイよ。「知識」がなければ次にいくこともできないしなあ。今でも悩むところである。

 

「資料(特に4,5年のグラフ)の読み取り方の育成に時間をかけ、理解を深めることができた」

→「理解を深めることができた」というのは、つまりは嘘だ。できていないことを書くためにこういう書き方をするしかなかった。指導要録の所見でもこういう書き方をせざるを得ない時がよくある。これには校長も食いついてきたな。「5年生はキツイな」と言っていた。僕の意図が伝わったようだ。

 

「各クラスの学級目標(『自立』『協力』等)を意識して、その都度児童に声をかけてきた。できるだけ多くの児童を巻き込んで授業ができるよう心がけている」

→これこそが僕のしたい授業像だ。しかしクラスによって状況(学習集団としての育ち)はまちまちである。どのクラスでどんな声かけを児童にするのかのさじ加減が難しかった。でもサカグチ先生と会った時、珍しく「あなたは子どもを巻き込んで授業をしている」という言葉を頂いた。嬉し恥ずかしである。

 

・校長のコメント

「教科専科として丁寧に教材研究を行い、児童の主体性を伸長するための工夫・改善に努めている点を評価する。後半は重点単元を意識し、児童の学力向上に一層努めていくよう指導した」

→いやあ、学力向上って言われても無理っすよ、というのが正直なところである。

 

 

・自己評価(3月)

「この1年で学んだことは、発問(問い)の大切さである。本時で考えるに値する発問、単元を貫く発問をどのように設定するかで児童の主体性は大きく変わると思った」

→これまたおいおいお前は初任かよ、という評価である。そうではあるが、基本はこういうことなのだろう。初心を忘れずに仕事に取り組んでいきたい。とはいえ「児童の主体性は大きく変わる」?文章が変だ。

 

「6年では10月以降どのような発問を児童に投げかけるかを第一に考えて授業をしてきた。明治維新の学習では『なぜ30年で大きな変化が起こったのだろう』という問いが単元を貫くものとなり、学習を進めることができた」

→いきなり具体的に書いてるぞ。この単元は計画訪問で授業をしたから特記すべきだと考えたのだろう。それにしても具体的過ぎる。でも最初の文章は事実だ(←嘘書いてどうするんだ)。6年ともなると児童が今まで取り組んできた授業スタイルをなかなか変えることができない。発言しないとかね。そうなると、やはり児童が考えたくなるように仕向けるのが僕の仕事だろう。反省することしきりである。

 

「授業内容と評価テストの乖離が課題であった」

→そうなんだよなあ。「児童が考えたくなる問い」と「テストの結果」とは一致しないんだよなあ。どうすればいいのだろう?

 

・校長のコメント

「社会科において児童の思考を念頭に置いた学習展開を意識し、日々実践を重ねている点を評価する。先生が積み重ねてきた授業の指導技術をぜひ若手へ伝授していただきたい」

→何だか僕に指導技術があるような書き方だが、どうなんだろう。あるとしたら嬉しいけど。それにしてもいつ伝授するんだ?

 

 

大体この1年、どういう姿勢で仕事に取り組んできたかが分かったよ。結構煮詰まっていたんだな。