ふふふふ。今日は僕にとってかなり特別な日である。何だと思う?発表しますよ。
何と!今日がブログ開設2周年記念の日なのだ。そう、2年前の今日僕は生まれて初めてブログというものを開設した。思えば遠くに来たものである。365日+366日=731日。731日の内670回記事を載せたことになる。うーん、素晴らしい。というか異常だ。今日も何の展望もないままこうしてキーボードをパタパタ叩いている。
一体何について書いてきたのか、ちょっと調べてみよう。音楽309、自分のこと170、教育150、本41、旅23、映画20、プロレス・格闘技14か。
なかなか感慨深いな。よく書いたものである。こういう振り返りは365記事、600記事の時にも書いたが、今や文章を書くことは僕の人生の一部になっているといっても過言ではない。繰り返すが、よくもまあこんなに書くことがあったものだ。
音楽については、この2年間で聴く音楽が大きく変わった。2年前はロック=ギザギザなんて書いちゃって荒んでいたが、それも今では遠い昔のことである。勿論アップルミュージックの影響大だが、このブログも大きく関係している。自分がこれを聴いたらどんな反応をするのだろう、それを書きたいなと半ば実験的にいろいろな音楽を聴くようになった。ただし、1990年代以後の音楽には不感症になっていることも最近発覚した。
自分のことについては、過去の出来事を掘り起こした記事が一番多いのではないかと思われる。これは途中から登場したシリーズであるが、自分にとってはかなり有意義なことだったと思っている。自分がどんなことをしてきたのかよく分かった。また病気のことについては、ちまちまと書いていたが、たまに読み返してみて「ああ、そうか。あんまり変わっていないな」と思った。別に自慢するわけではないが、不眠のことに触れることが多かった。
教育のことについては、最初はガンガン書いていたのだが、途中で失速してしまった。僕があまり仕事について書くことが思い浮かばなくなったのは、仕事に対する情熱度が低くなったことが原因だと思われる。それにこんなことをしてみたらこうでしたよ、という具体的な話題が非常に少ない。ちょっと恥ずかしい。
本については、ほとんどが昔読んだ本についての話題だったように思う。読書ができなくなったのは、老眼が一番の原因であるが、もしかしたら読書をする体力もなくなってきたのかもしれない。読書をする代わりに文章を書くようになったのかもしれない。自分と読書は絶対に切り離せないと思っていたんだけどなあ。意外な展開ではある。
旅については23記事か。数が少ない割には濃厚だったな。これは書いていて非常に面白かった。海外旅行記はベトナムから始まり、インド、バリ、タイと1記事では済まずにシリーズ化された。それにしてもよく覚えているものだと我ながら感心しながら書いていた。これも書き留めておいてよかったと思っている。
映画については、20記事も書いていたのか、というのが正直なところである。読書にもまして、映画を観る体力がなくなってきているのを感じた2年間だった。ほんとに限られた作品しか観ていない。
プロレス・格闘技については、書こうと思えばいくらでも書くことが出来そうな鉱脈だということに最近気づいた。ただし、書くためには記憶だけではなく試合をもう一度観る必要がある。猪木、前田、船木、田村、桜庭あたりで100記事書けそうだ。これに総合格闘技を加えるとブログの色合いまで変わってくるかもしれない。
このようにして文章を書くことで、例えば己を知ることが出来るとかそんなことはあるのかといえば、ないことはないぞ、と答えるだろう。2年といえば結構な年月である。「今日は何を書こうかな」と考え、実際に書くことは僕にとって楽しい時間だった。そしていろんな意味で自分の傾向を知ることもできた。それに何回も「そろそろ休む」と書いたのに、3日と開けずに再開してしまうことが多かったのは、文章を書くこと自体が目的化されていたからだと思う。
つまり、よし、これを書くぞ、というより今日も書くぞ、じゃあ何を書く?という傾向が段々強くなっているということだ。でも僕はそれでいいと思いながら今日も記事を書いている。何だろう、日記のようなスタンスで書くようになったということなのかな。
文体については、諦めている。こんな感じで書くことしかできないよ。小説家じゃないんだから。でも今日はひとつチャレンジをしている。ご存じかどうか知らないが、僕の文章には非常に( )が多い。正直これには自分でも辟易としているのだけど、どうしても( )をつけて書きたくなる。その( )は今日のところ一つもない。快挙である。やればできるのである。あとひとつ、読点は相変わらずどこに打てばよいのかよく分からない日々が続いている。
というわけで、少しだけだがロバート・B・パーカーというかスペンサーシリーズについて触れたい。というのも土曜にブックオフに行ってスペンサーシリーズの「昔日」という作品を見つけたからだ。「こんなの読んだっけ?」と思った僕は最後の訳者あとがきを読んで調べてみたが、確実に僕がスペンサーシリーズをリアルタイムで読んでいる時期に書かれている作品だった。あらすじを読んでも全然記憶がない。まあ、スペンサーシリーズのあらすじを書くのは野暮というものかもしれない。僕はハードカバーの、つまり中後期のスペンサーシリーズはもう読まないと思って断捨離してしまったのだが、久しぶりに読みたくなってつい買ってしまった。家に帰ってアマゾンで調べてみると格安で出回っているっぽい。そうか、そんなことになっているんだと思った僕は、数冊ポチっと注文した。本の値段より送料の方が高かったぞ。
「昔日」の最初の方だけ書いておこう。
「あんたがスペンサー?」彼が言った。
「誇りとともに」私が言った。
彼は噛みつきそうな眼でこちらを見て、何も言わなかった。私はにっこりと笑った。
「気の利いた会話をしてるつもりなのか?」
「ほんの一瞬な」私が言った。「用件は何かな?」
「気に入らない」彼が言った。
「ふむ」私が言った。「それは驚きだ」
いやあ、かっこいいっすね、スペンサー。後期の作品でもあくまで気の利いた会話をしようとしている。それに文章が簡潔だ。これだけ写経しても勉強になるよ。パーカーは気持ちよく文章を書いていたんだろうなあ。
毎年この時期になると新刊が出て、それを読むのが至高の喜びだった。今なら、そしてスペンサーシリーズなら読書というものが出来るかもしれない。いや、読書したい。
2周年記念号でした。