hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

高橋克彦の歴史伝奇ものは荒唐無稽?いやいや説得力あるよ

高橋克彦は、岩手県釜石市生まれで現在は盛岡市在住である。歴史伝奇もの以外にたくさんたくさん小説を書いている。僕はその「たくさん」の中でも特に歴史伝奇ものを愛読してきた、というわけだ。東北出身の高橋はそこ(東北の歴史)にも拘って仕事をしている。

 

高橋克彦のこっち方面の最高作と言われるのが「竜の柩」(1989)である。龍神伝説を追うために津軽信濃、出雲と列島縦断して調査を進める九鬼虹人(くきこうじん)。「古事記」「日本書紀」や風土記に残る寓話や神話を読み解く九鬼は、独自の仮説を実証し、真実に辿り着く。つまり、龍=ロケット、神=エイリアン、という仮説だ。

 

その後もすごい。続編の「新・竜の柩」(1992)では、あろうことかロケットに乗り込み、異星まで行っちゃうのだ。つまり「神」と会っちゃうのだ。そして異星でも戦いを繰り広げる。ここまで書き切る高橋の力技はすごいとしか言いようがない。しかもしかもまたまた時を経て続編の「霊の柩」(2000)が出版されちゃったのだ。

 

地球へ戻ってきた九鬼達一行は現代には戻れず、そこは大正八年の日本だった。そこで現代に戻るべくまた数々の冒険を繰り広げちゃったりするのだ。ロンドンにだって行っちゃうのだ。いやあ凄いものを読ませてもらった。

 

こんな荒唐無稽な話を「もしかしたらそうかも」と読者に思わせる高橋の力は凄い。

 

同じく高橋克彦の「星封陣」も好きな作品だ。東北の一村が奇怪な勢力に狙われる。古代、蘇我氏に敗れた物部一族が東北にとてつもない秘宝を封じ込んだという。それを守る物部の末裔に対し、秘宝奪取に権力と暴力を使える巨大組織が襲いかかる。村人の主、緋星幸丸(あかぼしさいわいまる)は、自分が秘宝の鍵を握ると自覚し、仲間と共に絶望的戦闘に決起する。

 

緋星幸丸(あかぼしさいわいまる)の設定が面白い。超巨漢なのだ。そして物語が進むにつれ、物部の秘宝が明らかになる。つまり物部所縁の特定の場所でビームが出現するわけだが、そのビームを出現させるためには幸丸の力が必要らしい。ビームを出現させるごとに幸丸はエネルギーを吸い取られる。つまり体重が激減するのだ。最後にはすっきりとした体形になっているのが笑えた。

 

というわけで2冊紹介したが、「竜の柩」にも関連する思いっ切り眉唾だが僕にとってとても興味深く読むことが出来た「超古代文明論~オーパーツが証す神々の存在~」(1997)(南山宏との共著)も外せない1冊だ。

 

超古代文明はあったのか?太古の地球をめぐり、作家の想像力と研究家の実証が新たなる知的発見に導く。と紹介されているこの本は、少年時代から好きだった話題が満載である。

目次を読むだけでもうワクワクしてくる。

 

・日本のオーパーツの代表はピラミッド山

・東北に残る日本中央碑の謎

古史古伝は全くのフィクションではない

・進化論を疑え

地質年代を疑え

オーパーツ・・・その時代・文化の産物であるのは確かなのに、当時の科学技術のレベルを遥かに超えているように見える人工物の総称)

 

こういうのを求めていたんだ!と思った僕は貪るように読んだ。目から鱗の連続だった。いやあ、高橋克彦の言うことは説得力あるよ、全く。しかしこういうのって男子が興味持つことが多いのかな?