hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

「YOU」-2

ゲスト第2弾の話も面白かった。特にコンピューター関係者の話と新井素子の話が興味を引いた。新井素子は番組の後の方で現在の新井素子が出演し、コメントしている。

 

糸井「行き詰まりって言ってるんだけど・・・。コンピューター関係者はそんなことない?」

コンピューター関係者(以下コン)「若い人は元気。おじさん達が洗濯機を意識しなくても使えるのと同じように、子ども達が意識しなくてもコンピューターを使えるようになっちゃってるんですよね」

 

コン「コンピューターは今、互いにコミュニケーションできませんよね。それが通信システムによってコンピューター同士が各家庭で繋がっちゃうわけですよ。どんなことができるかというと、例えば郵便がありますよね。ああいう代わりに使って手紙の交換とかね、コンピューター同士でやっちゃう。だからネットワークみたいなシステムができあがると、テレビとか郵便とか英語の辞書とかあらゆる機能に使えちゃうわけですよ。それ1台で」

 

糸井「じゃあ、部屋があってコンピューターがあって人がいればあとは何にもなくていい。でも洗濯はできないだろうな。」

コン「できちゃいますね。」

糸井「それ全部合わせて日常生活をまかなうためにそんなに大きなものはいらないわけ?」

コン「いりません」

糸井「一家に一台になりますね。」

コン「当然ですね。それを使いこなせない人は、機械の奴隷になってもらうしかないですね。そのくらいまで普及すると思います。」

糸井「中沢君、こういうこと言ってますよ」

 

 

1984年にもう今の世の中の様子を思い描いているコンピューター関係者。すごい。当時聞いてもSF感覚だろうと思う。というか想像すらできなかった。

 

 

糸井「ビデオの世界ですけど、行き詰まっていないですか?」

ビデオ関係者「番組のニーズがもっと細かくなっていってとにかく1日中例えば「YOU」だったら「YOU」しか観たくないという人のために細分化されて、テレビ局が全体のデータバンク的になってそれをコンピューターで引き出して観ていくっていう方式になると思います。それで番組がもっと多様化される。」

 

 

こちらも、正しく未来を見据えている。次は文学だ。

 

 

糸井「新井さん、どうですか?次の時代の予感と展望は?」

新井「あまり深く考えてないんですけど・・・。活字はコンピューターが発達しても残るんじゃないかなあと思ってるんで比較的安心して聞いていました。」

糸井「どうして残ると思うんですか?」

新井「活字の方が安いんですね。フロッピー4枚分と本とじゃ本買った方が圧倒的に安いじゃないですか。」

糸井「本そのものは残るとしても小説に書いてあることとかはどんどん行き詰まり感が出ていると思うんですけど。」

新井「私はあんまり行き詰まるの好きじゃないんで、行き詰まんないことにしてるんです。あのー、じーっと何か考えるから行き詰るんで・・・」

糸井「正解っぽいね」

新井「あんま考えなかったら行き詰まんないんじゃないですか?」

糸井「当たりですね。この言い方は僕好きですね。」

 

 

その頃には新井素子ファンだった僕は、動いて喋る新井素子を見るのは初めてだったので、そのことに夢中だった。喋っている様子は「なんか、大学生っぽいなー」というか「サークル内や研究室で喋っている」感じだった。しかしその内容は、今まで男子が嬉々としてあーだこーだ言ってることを軽く一蹴する爽快感があった。

 

 

                                 (続く)