hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

ちわきまゆみと戸川純

別に共通点はないが、それぞれある時期の彼女達を好んで聴いている。

 

ちわきまゆみからいこう。彼女のセカンドアルバム「Angel-We Are Beautiful」は1986年に発表された。なぜちわきまゆみを知り、このアルバムを買ったのかははっきりとは覚えていない。松村雄策が取り上げていたのかもしれない。その半年後に発表されたシングル「CiNIMACHiNEBURA(シネマキネビュラ)」はギターに下山淳が参加していたこともあって即買った(抜群にカッコいい曲だ)。この2枚を1年に10回以上は聴いていたが、CD時代になってからは聴いていなかった。CD化されていなかったんじゃないかな。しかしアップルミュージックで検索すると再発されていた。聴くのは何十年振りだろう。

 

グラムロック風のサウンドにのって聴こえる彼女の「フワフワボイス」は僕をいつも幸せな気分にさせる。サードアルバム以降、声質を変えたこともあって彼女からは遠ざかっていったが、このアルバム(10曲、39分)は今でも求心力のある「奇跡の1枚」だと思う。日曜日の午前中に聴くときっと幸せな気分になると思うよ。

 

彼女の姿は「ロックンロール・スタンド」という今でいう「カウントジャパンなんとか」みたいな年末イベントの放送で初めて観た。彼女自身がSMショップへ行って研究した衣装に身を包みセカンドからの曲を歌っていた。セクシーだったが声が「フワフワ」だったのでちょっとライブでは弱く聴こえてしまい、残念だった(それもあって声質を変えたのだろうか)。現在はラジオパーソナリティなどの仕事をしているようだ。

 

 

次は戸川純か。今では懐かしい「ウォシュレット」のCM(1982)でブレイクした彼女は所謂「色物的」な扱いを受けていた。デビューソロアルバム「玉姫様」(1984)では、「女性の生理」をテーマにした表題曲も話題になったが、何といってもテレビ出演した時のリアクションの仕方がさらに「不思議ちゃん」みたいに捉えられて、大衆に受け入れられた。しかし、同年発表のライブ「裏玉姫」や次のシングル「レーダーマン」はかっこいいバンド(ヤプーズ)を従え、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。

 

その後活動していることは知ってはいたが聴くことはなかった。「東口トルエンズ」というバンド(山本久土と2人組。後に山本は遠藤ミチロウと深く関わることになる)のDVD(2012)を観たのが久しぶりの戸川純だった。僕は彼女の「ウギャー」って叫ぶ方面の曲は敬遠していたが、しっとり甘ったるい声で歌う曲は愛していたのでそういう曲ばかり繰り返して聴いていた。「玉姫様」収録の「諦念プシガンガ」がアコースティックヴァージョンで収録されていたのもよかった。

 

順調とまでは言えないまでも(確か自殺未遂したこともあったな)着実に活動を続けてきた彼女だが、これもアップルミュージックで検索してみると、最近の動向(最近でもないか)が分かった。一番のお気に入りはかつて野坂昭如が歌っていた「バージン・ブルース」(2010)だ。らしいと言えば彼女らしい選曲だ。

 

が、何といってもパッフェルベルのカノンを土台に作った「蛹化の女」が僕にとってはベストだな。この曲と遠藤ミチロウの「カノン」(これもパッフェルベルを土台に作られていた)が蜷川幸雄の演劇に使われていたこともあった。ミチロウは後年、戸川純版「蛹化の女」をレコーディングし、ライブでもよく歌っていた。

 

2人とも同年代(もう少しで60歳になる)だが、接点はないと思う。僕より少し年上の彼女達がかつて創り上げた音楽を僕は今でも愛している。

 

最近は戸川純の「Togawa Jyun Band」(2004)に収録されている「おしまい町駅ホーム」が今、僕の心をとらえて離さない。ちょっと危ない歌詞なんだけどね。

 

 

♪次の駅に行くんなら、 Dive into the railroad

♪終点まで行くんなら  Dive into the railroad

♪ここが嫌になったら、 Dive into the railroad

♪いまが嫌になったら、 Dive into the railroad-rail