熊谷達也、仙台市在住、62歳

不定期に市立図書館で本を借りている。しかしながら保守的な僕は、新しい本2冊、今まで読んだことのある本5冊(7冊借りることができる)を借りるパターンが多い。今回もそうだった。そのうちの4冊が以前読んだことのある熊谷作品だ。

 

「オヤジ・エイジ・ロックンロール」(2009)、「バイバイ・フォギーデイ」(2012)、「調律師」(2013)、「ティーンズ・エッジ・ロックンロール」(2015)の4冊である。

 

昨日書いた「マタギシリーズ」等の自然をテーマにしたものが初期の熊谷作品だった。それからはとにかく色々なジャンルの作品を発表している。僕が好きなのは音楽ものだ。

 

大体音楽ものは、色々な作家によってたくさん出版されているが、なかなかいいのに出会わない。どうしてもいかにも「ロックンロール!」なステレオタイプな作品や、文学臭が強い作品が多くて興味はある分野だけど、なかなか手を出しづらい。しかしブログに何回も登場している花村萬月の音楽ものは秀逸だ。たくさんあるけど、書いちゃうね。

 

「ゴッド・ブレイス物語」(1990)、「渋谷ルシファー」(1991)、「ブルース」(1992)、「風に舞う」(1994)、「ウエストサイドソウル西方之魂」(2010)、「ロック・オブ・モーゼス」(2015)だ。まだあるような気もする。どれも優劣つけがたいが特に「ウエストサイドソウル西方之魂」は素晴らしい。

 

あと、山川健一が昔アルフィー高見沢俊彦をモデルに書いた「蜂の王様」も良かった。

 

おっと、熊谷達也だった。僕は初めて「邂逅の森」を読んでから図書館で熊谷達也の本を一応チェックしとくか、くらいの気持ちで見に行くとたくさんの著作が並んでいてびっくりした。それでまずは「オヤジ・エイジ・ロックンロール」を手に取ってみたわけだ。

 

音楽ものとしては久しぶりに一気読みできる本だった。何より読みやすい文章だったところに好感が持てた。そしてロックに対する(70年代ハードロック)姿勢もフラットで、主人公が昔と比べて(エフェクター等の機械が)「すごいことになっているな、現代」と驚いている様が楽しそうで感情移入できた。それにエラソーな書き方は一切していない。もしかすると、ロック・ミュージックに興味のない人が読んでも楽しめるかもしれない。僕は次の日再読した。

 

バンドをやる、というのはつまりは人間関係を築く、ということだ。そこには楽しさがいっぱいある。どんな曲をコピーするか話し合うだけでも楽しい。夜、部室で練習する時もワクワクした。詩を書いてみようか、と実際に詩を書くのも楽しかった。その詩に曲がついた時は気が狂うかと思った。「この歌の1番はリードヴォーカルが歌って、2番は(作詞作曲した)ベースが歌えば、ちょっと色が変わっていいんじゃない?」と意見するのも楽しかった。勿論ライブをする時は一番興奮した。

 

そんなことを思い出させてくれる本が「オヤジ・エイジ・ロックンロール」だった。

 

 

熊谷達也は作家になってからもバンド活動を続けていたらしいが、今でもやっているのだろうか。作家が62歳でバンドをやっているのはカッコいいことだと思う。