前回の「関ジャム」は「2020年の名曲ランキング」を川谷絵音、いしわたり淳治、蔦谷好位置を迎えて紹介するという内容であった。
僕の全く知らないアーティストが続々と出てくる出てくる。それはいいんだけど、どの楽曲にも「ピン」とこないのが不思議でもあり、ちょっと悲しくもあった。
コード進行がどうで、何とか何とかフラットナインを使うとこう聴こえるなんて話は確かに面白い。しかしそんな技を使わなくても世の中にいい曲はたくさんある、と思ってしまう。あとは歌詞かな。いつも歌詞を読み込んでなくて恥ずかしい思いをしている僕だが、何だか今どきの音楽(邦楽)の歌詞は「入ってこない」。ラブソング?あまり興味ないな。「頑張ろうぜ」ソング?積極的に嫌いだ。あとどんなことを歌ってる?もっといろんなことを歌ってもいいんじゃないかな。
僕の姉は今、米津玄師に夢中である。もうすぐ60にもなろうという女性が、である。それまでは長い間(今もそうだけど)浜田省吾に夢中であった。でも僕が平沢進の「白虎野」を聴かせたら「これはいい!」と言っていたからもう何が何だか分からない。こういう節操のなさは嫌いじゃない。僕にはない面だ。
それでこの番組を観て僕が何を思い出したかというと、またかと思われるだろうがトモフスキーだ。彼の「いらない」という曲を思い出した。
♪もう、これ以上 新しい知識はいらない
♪もう、これ以上 新しいヒトと出会わない
♪もう、これ以上 新しい部屋は探さない
♪もう、これ以上 新しい噂は聞かない
♪これからの余生に 使う燃料は
♪とっくに全部そろってる 新しい何かはジャマになるだけ
♪イラナイ! もういらない
♪イラナイ! もういらない
♪全てを知る必要はない そしてどっちみちそんなコト出来ない!
♪ピントがようやく合う頃に
♪ジワジワぞろぞろやって来る 新しい何かはジャマになるだけ
♪イラナイ! もういらない
♪見せないで!
♪聞かさないで!
♪おしえないで!
♪もう、これ以上 新しい知識は!
そうなのだ。もういらないのだ。これからの余生に使う燃料(聴きたいアーティストや曲)はもうそろっている。
でも、誰かいると思うんだよなーと一方で思っている。若い人で、年寄りをも巻き込む力を持っている人が。一昨年において、それはブルー・ハーブだった。それにしたって僕より7つ年下なだけだ。もっと年下で僕達お年寄りをびっくりさせてくれる人は必ず出てくるはずだ、と思いながら「関ジャム」を観ていた。だから「全てを知る必要はない そしてどっちみちそんなコト出来ない」とは思っているが・・・、それにしてもまだ誰かを追い求めている自分がいるのは確かだ。なんか今日はしつこいな、俺。
若い人たちは若い人たちでこの音が今後も自分の大切な音楽になっていくのだろうか。それとも消費されていくだけなのかな。消費されていくだけだとしたら悲しい。