hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

2人でバンド

昨年末に「レコード・コレクターズ」というロックカタログ的な本を買ったら1ページ目の宣伝欄にザ・ホワイト・ストライプスのベストが出る、という知らせがあった。

 

ベスト?何故この時期に?と思ったがちょっと楽しみだ。ボーナス・トラックがあったらもっと嬉しい。

 

ザ・ホワイト・ストライプスは、1997年アメリカのデトロイトで結成された。ブルース、カントリー・ミュージックハード・ロックをベースにしたガレージロック(ウィキペディアより)。メンバーは、ギター、ヴォーカル、その他の楽器を担当するジャック・ホワイトとドラム、タンバリン担当のメグ・ホワイトの2人。メンバー構成については後でもう少し述べることになるだろう。

 

僕は、2003年発売の「エレファント」から聴き始めた。そして2005年「ゲット・ザ・ビハインド・ミー・サタン」、2007年「イッキ―・サンプ」、2010年「アンダー・グレイト・ホワイト・ノーザン・ライツ」(ライブ盤)を大体リアルタイムで聴いていた。

 

僕を魅了したのはまず何といってもギターのリフである。そして金切り声系のヴォーカル。「何これ?最高じゃん」と一発で気に入った。その後はアコースティックな曲やカントリータッチの曲にもメロメロになり、アルバムを追うごとにどんどん音が先鋭化されていく姿にも感銘を受けた。

 

一番聴いた(観た)のはラストのライブ盤のDVDだろうと思う。そこでは演奏とともにステージ以外での2人の姿を見ることができる。

 

昔々JUNさんと電話で話していた時、「2000年代のバンドって聴いてる?」ってなり、JUNさんは「スーパーグラス」、僕は「ザ・ホワイト・ストライプス」と答えた。JUNさんは、「ああ、ジミー・ペイジを下手にしたギターの人か」と答えた。僕は、「ええっ?そうなん。ジミーも下手って言われてるけどそれ以下なのか」と素直に思ったが、今でもそれが真実なのかよく分からない。分からないが僕の好きなギタリストの一人だ。

 

それで、だ。メンバーは2人だ。これはバンドと言えるのだろうか。また本人達はバンドを組んだという意識を持っていたのだろうか。普通バンドといえば最低でも3人である。ポリスやクリームのように。「バンドを組む」というのは、「自分一人じゃできないことを実現するための『たし算』」の音楽だと思う。まあそのことは後で考えよう。問題はメグのドラムだ。

 

メグのドラムのプレイスタイルといえば、「こ、こ、これは昔の俺?でもかっこよく聴こえるぞ」というものなのだ。どういうことかというと、オカズ(フィルイン)が全くといっていいほどない。ドン、タン、ドン、タンがほとんどだ。楽譜にすると昔僕が叩いていたドラムパターンそのものだ。しかし、違うんだよなぁ。メグは確信犯でドン、タン、ドン、タンと叩いているが僕はそうじゃなかった。本当はフィルインも入れたかった。しかしそれができないからドン、タン、ドン、タンと叩くしかなかったのだ。だからメグのドラムのタイム感は僕のそれとは全然違う。ジャック自身も認めているが、このバンドはメグのドラムじゃなければダメなのだ(ロック界では当然かもしれないがメグのドラムプレイに対する評価は分かれている)。

 

そのドラムにのってジャックのギターが唸る。ただそれだけなのにひたすらかっこいい、というスーパーなバンドだ。勿論世界中でも認められ、グラミー賞も3回とっている。

 

このようにベースレスのバンドが同時期に日本でも結成された。「タッチ・ミー」である。遠藤ミチロウ(Vo、G)と中村達也(Dr)が組んだバンドだ。こっちは、ドラムは超手数の多い狂ったドラマー&アコギでパンクするおじさんバンドなので質は違うが何か同時代性を感じる。アメリカの「ヤー・ヤー・ズ」もベースレスだった。

 

これは果たして「何算」の音なのだろうか。「ひき算」、つまり余計な音をどんどん削いでいった結果この編成になったということなのだろうか。僕は違うような気がする。少なくとも「タッチ・ミー」に関しては「たし算」の音だろう。遠藤ミチロウが奏でるアコギにもう少しビートが欲しくなってミチロウは中村達也に声をかけたのだろう。

 

ではザ・ホワイト・ストライプスはどうだろう。うーんよく分からないな。きっとインタビューなんかを読むとジャックがコメントしているのだろうが・・・。でも、何だかビジュアルを含めて戦略的な匂いはちょっと感じるとだけ書いておこう。