hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

まったりしたい時はあがた森魚だよ

僕は音楽蘊蓄番組が好きだ。今は「ザ・カセットミュージック」と「関ジャム∞」をよく観ている。コードの不思議な響きの理由やコード進行の妙等を分かりやすく教えてくれるそれはそれは刺激的な番組である。でも例えば「来年注目のアーティスト」を蔦谷好位置など名うてのアレンジャー、作詞家達が10人選ぶ、という時にその選ばれたアーティストに「なるほど」とは思っても、聴きたいとは思わないのは一体どうしてだろう?米津玄師?髭男?うーん・・・と言うほかない。どうもヴォーカルに「うーん・・・。」と思ってしまうのが一番の原因なようだ。

 

話は変わって12月22日火曜日から年末まで年休を取ることにしたが、朝眠たくて仕方がない。妻が出勤すると途端に眠くなる。二度寝の始まりだ。そんな時決まって流す曲が、あがた森魚だ。あがた森魚のヴォーカルには「うん!」と思う。激しく思う。さっきの「うーん・・・」との差は一体何だろう?

 

歌い方?声質?歌詞?演奏?僕の歳?どれもあてはまるな。昨日書いたエンケン同様、僕はあがた森魚の熱心なリスナーではない。なのに最近ふと思い出して「百合コレクション」を聴いたら、他の曲も猛然と聴きたくなった。それで依然持っていた「Taruphology」(2007)(←35周年盤)と「20世紀漂流記/あがた森魚ベスト」(2001)をもう一回アマゾンで買った。それ以来ずっと聴きっぱなしだ。あがた森魚は「百合コレクション」を聴いていればOK、と思っていた自分が恥ずかしい。全部良いじゃないか。特にこの曲が、とは言えないくらいいい曲揃いだ。

 

話を戻そう。僕はあがた森魚の何に惹かれ、若いミュージシャンの何に違和感を抱いているのだろう。あがた森魚の声については、やはりこんな声質でこんな歌い方をする若手なんていないよ。彼らはみんな声質や歌い方がオシャレすぎるというか弱いんだよ。

 

もう一つは歌詞か。今のところあがた森魚の場合は「いとしの第六惑星」が好きだと言っておこう。「かえりたくない 同じことばをしゃべるとこへは」と歌い、「熊本 南熊本 水前寺 龍田口・・・」と延々熊本の地名が歌われるこの歌はただひたすら気持ちいい。こん歌詞はどこを探しても見当たらない。でも若いミュージシャンの中にも「おっ」と思わせる歌詞があるのは事実だな。

 

また、あがた森魚サウンドの素晴らしさは言うまでもない。はちみつぱい系というかムーンライダーズ系というか細野系というかそっち方面で活躍している人たちがこぞって彼を盛り立てている。盛り立てたくなるのだろう。また、「Taruphology」では、石川県小松市育ちの世界的ミュージシャン、アレンジャー、プロデューサーの久保田真琴がプロデュースとエンジニアとして絡んでいる。久保田の作る無国籍?サウンドがまたあがたのヴォーカルにマッチしている。「Taruphology」でベストトラックをあげろ、と言われたら困る。困るがあえて選ぶとしたら最後の「ゴーストトラック」の「東京節」になるな。ブラジルのシコ・コヘイアのバックトラックに大正から歌い継がれている「東京節」がのる。時空を超えたセッションが堪らなく気持ちよい。音に関しては若いミュージシャンも自分たちの「気持ちよさ」を追求して、それが僕達おじさんにも届くことが時々ある。

 

何でも「2020年であがた森魚名義でのアルバムリリースは最後とする」と発表し、引退記者会見ライブが11月にあったらしいが、ほんとに実施されたのかな。

 

おじさんおばさんあるいはおじいさんおばあさんミュージシャンで若い人たちにも聴いてもらいたい人がたくさんいるんだけどな。それはきっと若い人たちにも届くと思うんだけどな。これは洋楽にも言えるか。

 

ベスト盤のライナーノーツには名だたるミュージシャンからの愛の詰まった言葉が並べられ、評論家の篠原章は3ページにわたってあがた森魚の歴史を語っている。これからあがた生活が始まりそうだが、ちょっと怖い。それは「耽溺する怖さ」だ。しかしそういう「怖さ」を体験するのもいいぞ。

 

最後に矢野誠の言葉を引用させてもらってこの記事を終えよう。

 

~あがたくん、20世紀ベストアルバムおめでとう。ぼくは きみとあそびたいし きみとえんそうしたい。君のvocalにあうsoundをかんがえるのもすきだし 琴もって旅したようなこともすきだ。でもきみはぼくにないものももってるし ぼくよりさきにであっていたひともいるでしょう なにしろきもちいいことがすきなんだ~

 

おっとタイトルにはふれなかったな。まったりしたいときは、あがた森魚は最高だ。逆も言えるか。あがた森魚を聴くとまったりとするよ。俺もあいみょん(もう古いか)を聴くから君達もあがた森魚を聴いてみてくれよ。