hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

L.A.M.F < Hurt Me

ジョニー・サンダース。ギター&ヴォーカル。かつてニューヨーク・ドールズに在籍し、脱退後ザ・ハーブレイカーズを結成。アルバムを1枚発表後解散し、その後ソロ活動に入る。骨の髄までジャンキー。死因はオーバードーズと言われているが謎に包まれている。享年38歳。

 

バリバリのロック・ミュージシャンじゃないか。

 

でも僕が一番好きなアルバムは「Hurt Me」(1984)なんだ。ジョニーがアコギを持って作ったアルバムだ。

 

彼のボーカルスタイルは、リチャード・ヘル系だ。確かザ・ハートブレイカーズで最初一緒にやっていたことあるよね。しゃくりあげるような歌い方はサイコーだ。時に囁くように歌う声はアコギにも合っている。

 

ザ・ハーブレイカーズ唯一のアルバム「L.A.M.F」(1977)も勿論よいのだけれど(そりゃそうだ。ロックの名盤の1枚だ)、僕は彼のソロ活動の方が好きだ。ザ・ハートブレイカーズよりいろいろなことを試している。その中にはアコースティックな感じの曲もあるにはあった。しかし「Hurt Me」ほどそれを前面に押し出していたわけではなかった。

 

ソロ作品は、「So Alone」(1978)、「In Cold Blood」(1983)、「Hurt Me」(1984)、「Que Sera,Sera」(1985)の4枚が発表されている(今は色々なものが出回りわけが分からなくなっている。だから多分この4作だと思う)。

 

繰り返すが僕は、アコースティック・ギター全開な「Hurt Me」が好きだ。曲は既発の作品のアコースティックヴァージョンがほとんどである。それまでアコギの曲にロックを感じたことはなかったけれど、このアルバムで開眼させてもらった。アコギでもロックサウンドはあるのだと。アコギ1本でロックできるのだと。

 

しかしまさかとは思うが、これはちゃんとアコースティック主体のアルバムを作るぞ、と決めて作ったアルバムなんだろうな、と思うところもある。だって24曲54分だぞ。デモ音源を発表したわけじゃないよな?それが決して悪いと言っているわけではない。それくらいプライベートな匂いがプンプンしてくるアルバムなのだ。あの当時のジョニーがこういう形でアルバムを出そうとして出したアルバムならば、かなりセンスがいいということを言いたいのだ。ジョニーとセンス、何だか合わない気もする。もっと動物的な勘で動く印象が強いからなおさらこのアルバムを作るに至った経緯を知りたいものである。

 

そういえば、彼はかのRCサクセション「カバーズ」(1988)に参加している(1曲目の「明日なき世界」の最初の語り)。大江慎也とも作品を発表していたな(「Great Big Kiss」(1988))。3回目の来日公演の際に日本のいろいろなミュージシャンとセッションした。他のミュージシャンからも招かれたらしい。

 

とにかく僕は、彼のロック魂溢れるアコギとそれにのった彼の歌声が好きだ。