hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

山川健一について書きたくなった

ふと、僕はどんな作家の作品を読んできただろう、と思い返すことがあった。その時に浮かんだ作家の一人が山川健一だ。ほとんど売ってしまったが彼は多作で、僕はまめだったので彼の本が家に一番多かった時期が長かった。

 

それで、アマゾンで「ティガーの朝食」(1989)(キンドル本)と、「印象派の冒険」(1989)を購入した。「印象派の冒険」は僕が長いこと探していた本だったので感慨もひとしおだった(今読んでいる最中)。

 

彼は、実在の人物を紹介するのが上手い。真骨頂と言ってもいいくらいだと僕は思っている。最初にそんな本を発表したのは確か「ブルースマンの恋」(1989)だったと記憶している。何人かのブルースマンについて、その生い立ちから活躍までを生き生きと描いている。当時としてはまだ新しい形態だったCD付きの本だった。「ブルースマンの恋」はこういう形態の本にぴったりだった。本を読んで、ブルースを聴く。それが商業的にも上手くいったのか何冊か今度はロックミュージシャンを取り上げた本を出した(「ハミングバードの頃」(1990)「彼が愛したテレキャスター」(1991))。思えば彼のデビュー作はブライアン・ジョーンズをテーマにしたものだった。

 

その後さらに作家、画家へとジャンルを変えて人物紹介ものを出版することになる。しかも自身の小説も発表していたのだから相当な仕事量だ。そういえば雑誌の編集長もしていたな。ファンタジックな物語(「ファンタスティック・シティへようこそ」(1991)「アニマルハウス」(1991))も書いていたぞ。

 

しかし僕は彼の基になっているのはあくまでもロック・ミュージックやブルースだと思っていたし、それをベースにいろいろなジャンルに手を出していたと考えていたので安心して読んでいられた。すごく勉強にもなった。渋谷陽一著「ロックミュージック進化論」では、渋谷との対談で「ロックは進化するものではなくて、深化するものだ」と言っていた。あの頃はキレキレだったな。

 

ところが、だ。

 

「ヒーリング・ハイ オーラ体験と精神世界」(1995)から何だか雲行きが怪しくなってきた。勿論ロック・ミュージックやブルースに関する本も出していたけれど…。スピリチュアルな方向へ行くのか…。山川健一よ。と僕は悲しんでいた。

 

それ以来、リアルタイムで彼の作品に触れることはなくなった。    (多分続く)