情けない男として書かれたことがあるんだ(その2)

その後彼女の連れと待ち合わせをして3人で食堂に行った。そこでまた日本人と会った。東大生だという。話は盛り上がり(途中で彼女がネット上に文章を書いている人だと知った。今回の旅はベトナム旅行記として本に出す予定だという事も)、彼女が店の人に面白いところはないか聞き、その結果この町の長老に会いに行くことになった。僕はもう疲れていたが行きがかり上行かないわけにはいかない。4人で長老の話を聞いたがさっぱり分からない。他の3人は会話に参加しているのに僕だけ相槌を打つだけだ。2時間くらいいただろうか、今度こそ帰るぞ、と思い帰り支度を始めると、「ねえ、明日もこの4人で何処かに行こうよ」と誘われた。NOと言えない僕はその話に乗った。

 

次の日はどこに行ったのかは覚えていない(昼に食べたスプリングロール、つまり春巻きは激うまだったことはよく覚えている)。ただ、東大生が結構仕切るのが鼻についていた。夕方近くになったのでここにもう1泊かあ、と思っていたら、女性から、「ねぇ、2人でホテルをシェアしない?」と持ちかけられた。一瞬俺を誘っているのか?と思ったが、ここでもNOと言えない僕は承諾した。

 

ホテル探しの模様は依然少し書いたことがある。何軒かホテルを物色している途中、部屋にペットボトルを置き忘れたことに気づいた僕は。「あっ」と声を出した。「どうしたの?」と聞く彼女。「いや、ペットボトルを置き忘れてしまって・・・。まあ、少ししか残っていないしいいですよ」と言ったら彼女は部屋を案内してくれた女性にもう一度部屋を開けてくれと頼んだ。そして無事ペットボトルを見つけた僕に「『まあ、いいか』なんて思わないこと」と言った。確かに、と思った僕は素直に礼を言った。

 

無事ホテルが決まった僕たちは、夕食にありついた。「誰かいないかな、と思っていたんだ」と言う。何のことだろうと思っていると、「ホテルをシェアしたかったけれど連れとはまた会う約束をしているし、あの東大生は何だか合いそうになくてさ」要するに人畜無害の僕が選ばれたというわけだ。

 

ホテルに戻ってベッドの間にシーツをかけてもらって僕たちはベッドに横になった。しばらく話をしていたがやがて、「じゃあ寝ようか」と言うので「おやすみなさい」と言って自分の方の電気を消して音楽を聴いていた(ウォークマンで)。向こうが気にならないことはなかったが何か熱心にメモを取っているようだ。俺のことでも書かれているのだろうか、と思ううちにいつの間にか眠ってしまった僕は、明け方シャワーの音で目覚めた。彼女がシャワーをしている、と思うとまだ初心だった僕の心は少しざわざわした。

                               (続く)