最近はフリーの2作目「フリー」(1969)をよく聴いている。フリーといえば「フリーライブ」(1971)が有名だ。僕も高校時代買ったが、どうもポール・ロジャーズの暑苦しいボーカルがイマイチで名曲の誉れ高い「オール・ライト・ナウ」も「うーん…」という感じだった(「オール・ライト・ナウ」は大人になってからその名曲っぷりが分かった)。
でも当時から「これはすごい」と思ったのはベースのアンディ・フレイザーの音である。これは高校生の僕でもそのかっこよさが分かった。
「フリー」を聴いていると、やはりベースの音に集中してしまう。そしてドラムのサイモン・カークの音。この2人が創り出すグルーヴは、時を超えた普遍的なものに聴こえる。リズム隊だけを取り出した音を聴きたいものだ。ポール・コゾフのギターも時々現代的に聴こえるから仲間にいれてやってもいい。要するにポールには悪いが、バックの音だけ取り出して暑苦しくないボーカリストがメロディも考えて創っちゃえば、今でも素晴らしい音楽になるのではないだろうか、と思いながら聴いている。ポール、ごめん。
特に1曲目の「I’ll Be Creepin’」2曲目「Songs of Yesterday」4曲目「Trouble On Double Time」でのベースは圧巻だ。これで若干17才とは…一体何なんだっていうくらいのプレイである。
バックの音だけ残してあとは好き勝手にやる、という発想はラップに通じるのかな。