僕は所謂カタログ本が好きだ。「ビートルズ全曲解説」とか、「ブリティッシュ・ロック100選」とか「日本のロックはこれだ!」みたいなそんなの。勿論書いてあることは読むのだが、一昨日も書いたように自分の気に入った箇所だけを繰り返し読む傾向が強い。そして持っているアルバムに印をつけて一人悦に入っているのだ。
しかし、ピーター・バラカンの「ぼくが愛するロック名盤240」(1998)(講談社α文庫)は、全部読んだし、何回でも読んでいる。また、時代順に書いてあるがどこからでも読むことができる優れものだ。アルバム紹介1枚に要する字数はこのブログくらいなのだが、書いていることに無駄がない。しかも時折自分の青春時代のことに絡めて書いたりしている。どのアルバムもピーター・バラカンが愛聴してきたことがよく分かる。本人も書いているようにボウイもツェッペリンも出てこない、かなり偏向したアルバムの選び方だけれど(好きなバンドのアルバムは何枚もとりあげている)。ここに出てくるアルバムを検索して聴いてみる、というのが最近の楽しみだ。Manassasのデビューアルバムはよかったな。
前書きの最後の部分を引用しておこう。
「お察しのとおり、言葉に関しては頑固なところがあるオヤジです。そのくせ、語彙は貧弱で、日本語の文章力も自慢できるものではない。自慢できるものがあるとすれば、音楽への愛情だけだ。その愛情につき合っていただければ、ほかのことはお許しいただけるかな・・・。そう願っています。」
やっぱり頭のいい人は物事を端的に書けるのだ。それに彼は喋りも上手い。僕は「ボッパーズMTV」くらいしか知らないけど、とても好感の持てる話し方だ。音楽に対する愛情が伝わってくる。
文章も書くし、テレビにも出るし、ラジオのDJもしている。時に過激な発言もしているようだ。
こういうかっこいい人になりたいものだ。