高校生の頃、ロックを聴きギターも弾いている友だちは、「ディープ・パープル」「レッド・ツェッペリン」「ローリング・ストーンズ」のことを、「パープル」「ツェッペリン」「ストーンズ」と呼び、「ジミ・ヘンドリックス」を「ジミヘン」と呼んでいた。
僕は「何かっこつけてんだ」と思っていたが、いつしか彼らと同じ呼び方をするようになった。ここまでは違和感を持つことはなかった(でもエリック・クラプトンをエリクラとは呼ばなかったな)。
おかしくなったのは、1980年代も終わろうかという頃である。某ロッキングオンジャパン誌が「ブルー・ハーツ」のことを「ブルハ」と呼び始めてからだ。きっと。多分。
ロッキングオンジャパン誌は他の音楽誌との差別化を図るために、「一万字インタビュー」等いろいろなことをしていた。バンドの呼び方に独自性を出すこともその一環だったのだろう。
しかしながら「ブルハ」はないだろう。「ブルハ」は。何でも縮めりゃいいとは限らないだろうと思いつつ、いつしかその響きに慣れていった(使わなかったけどね)。
その次は「エレカシ」だ。あの硬派で売っていた「エレファントカシマシ」を、あろうことか「エレカシ」だとお?しかし結果的には、その奇妙でポップな響きが彼らの代名詞になっていった。(今でこそ「エレカシ」が普通になっているが当時はほんとに奇妙だったんだ。それにパープルのように下だけ読みだとカシマシになって尚更変だ)
洋楽部門で思い出すのは何と言っても「レディへ」だろう。そう。「レディオヘッド」のことである。その頃には「はいはい。そう呼ぶことにしたんだね」という半ば諦め気持ちで誌面を眺めていたな。「ピーター・ガブリエル」は「ピタガブ」だったしな。
今のJ―POPのグループでもたくさん省略して呼ぶグループがある。「ゲス極」とか?日本人は省略するのが好きなのだろうか。職場関係でいうと「研究推進委員会」が「研推委」になってたりしたしな。でも無理な省略はやめていただきたいな。
月曜日の昼休み、A子さんはやってきた。いつものように。そしてわり算の筆算5パターンを全て正解することができた。