hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

A面B面があった頃~

A面B面とは、レコード盤のことである。レコード盤の表と裏にそれぞれ音が刻み込まれた溝があって、表のA面や裏のB面をレコードプレーヤーに載せて演奏を楽しむのだ。

 

そんな時代での曲順は非常に大切な事だった。おそらく今よりももっと。

 

例えばA面1曲目にはその役割があるし、A面2曲目にも大事な役割があったのだ。CD世代の人には、ましてや今の世代の人たちにはピンとこないかもしれない話かな?

 

でも、今の人達も自分独自のプレイリストを作るでしょ?あれとおんなじことなのかもしれない。

 

ひとつ例を挙げると、ローリング・ストーンズの「スティッキー・フィンガーズ」はどうだろう。1曲目は今や不滅の名曲となった「ブラウン・シュガー」。これで聴く人をぶった切る。2曲目はダルいカウントで始まる「スウェイ」。3曲目は、アコースティックな渋いナンバー「ワイルド・ホーセス」。この曲順じゃなければいけない必然性が感じられる。そしてA面が終わりB面の1曲目がアップテンポのナンバー「ビッチ」で始まる。

 

こういう時代には曲をスキップすることはなかった。ほとんど。正直「うーん」という曲も(我慢して)聴いていた。A面にはA面の世界があり、B面も同様で、そしてそれが1枚のLPとしての世界を作っていた。

 

CDの時代になってからはその世界が薄れた感は否めない。アーティスト達もそれを感じていたはずだ。その結果どんどん収録曲数が増え、時間も長くなっていった。曲をスキップするようになったのもこの頃が始まりである。

 

でもそんなCD時代になっても1枚丸ごと大事に聴かないと、と思わせる作品ももちろんあった。僕にとっては、仲井戸麗市「絵」なんかがそうだ。それにブランキ―・ジェット・シティのアルバムでは、1枚を聴き込んだ後に、自分の細胞が生まれ変わったかのように感じる作品もあった。

 

今はこの前書いたように聴き方が変わってきている。しかし、音楽そのものは変わらない。いいものはいい。そして僕の細胞の一部になっていく。

 

(多分続く)