hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

再会と別れ最後

朝の5時30分に私は目覚めた。2週間ぶりに途中覚醒のない眠りだった。横にチアイはいない。もう帰ったのだろうか。それにしてもなぜ、チアイは人間の姿になって、昨夜のようなことをしたのだろうか。私への憐れみか。それとも慰めか。どちらにしてもそこには私に対する愛情は含まれていない、と思った。思うようにした。


リビングに行くと、チアイが妖精の姿に変わってテーブルの上にいる。子ども達もいる。ハジメ、タケル、スズカ、マナ、レン、シンヤ。なんだ、君達も妖精だったのか。何かカードを持ってるぞ。でも小さくてよく見えない。近づいて目を凝らすと何とか読むことができた。


ハジメは、「『Still Alive』 『俺』はまだ生きている」
スズカは、「いつでも真っ直ぐ歩けるか」
マナは、「湖にドボンかもしれないぜ」
レンは、「けれど『俺』の往く道は変わらない」
そしてシンヤは、「サイの角のようにただ独り歩け」
最後にチアイが、「『俺』は400 世の中の嘘800 真っ二つに切る言葉」
と書いてある。


何だ、吉井和哉The Blue Heartsと The Blue HerbShing02じゃないか、と私は思いながらみんなにお礼を言った。
「みんな、ありがとう。チアイ、これが答えなんだな。」
「そうよ。これが答え。」
「分かったよ。俺もそう思う。それにしても随分研究してきたな。俺が好きなミュージシャン、大体聴いてきただろ?」
「ええ。この2週間あなたのことばかり考えてこういう結果になったの。」


チアイは手を出した。握手か。私は人差し指を出して握手した。子ども達とも同じように握手した。「先生、授業楽しかったよ。」と口々に言ってくれた。レンは、「先生のやり方、解読したよ。」と言ってくれた。「楽しかった。」か。私にとって最高の賛辞だな。レンもあれから考え続けていてくれたんだな。
「じゃあ、行くね。」


チアイ達はふわふわと宙を舞い始めた。そして順番に消えていった。最後にチアイの声だけが私の耳に届いた。
「昨日の夜のことは忘れない。私もフォーハンドレッドになるわ。」
そうか。チアイと私は、同志なのか。チアイもきっと私と同じように闘うのだ。妖精界で。
ありがとう。
『俺』に仲間ができたんだ。
『俺』はこれからも独りで歩み続けるが、一人じゃないんだ。どんな道だろうとも。