hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

「教師」という言葉

 40代の頃、教頭から「〇〇先生に授業を見てもらわないか。それが他の職員の刺激にもなると思うから。」と話を持ちかけられたことがあった。家に帰り、妻にそのことを話すと、「〇〇先生は、日本一授業の上手い先生って言われてる。」と言われた。そして、「でも授業を見ていてこれはダメな展開だと判断したら、授業を乗っ取るよ。」とも言われた。正直ビビって教頭に相談したら、「見込みのある人ほど早い時間に乗っ取るよ。」と言われさらにビビった。
 当日は、5分で授業を乗っ取られた。その後〇〇先生は、「勉強とは何か。何故するのか。」と言う話をされた。それを聞いていた僕は、震えが止まらなかった。「この人は腹の底から言葉を発している。」と思ったからだ。子ども達の様子も変わった。たった1時間で。授業整理会の後、その先生と話した時、「自分ももっと勉強して変わらなければいけないと思っています。」と言ったら、「いや、あなたは変わらなくていい。」と言われた。今でもこの言葉の意味が分からずにいる。いい意味でとらえることもできるが、そうとも思えない。しかしこんなすごい先生に触れたからには、今まで通りの授業をしていくわけにはいかないと強く思い、今に至っている。

 「漢字ペディア」によると「師」とは、①教え導く人。手本となる人。先生。②専門的な技術を持った人などと書いてある。「学校の先生」は、①も②も併せ持たなければいけない人なんだろうと思う。僕は・・・
 「教師」ならば、その人は子どもの人生に影響を及ぼす人である。
 子ども達の人生に影響を及ぼさない人は「教員」である。
と思っている。
 だから僕は自分のことを「教師」と言うのにものすごく抵抗がある。〇〇先生はまぎれもなく「教師」だった。