「1」はもっと(教師集団が意識して)大切に扱うべき数ではないか?という話である。
どんな時に「1」が大切になるか。
2年かけ算の「1」つ分の数、3年分数での何を「1」とするか、4年わり算の「1」とみる(もとにする)数、かけわり図や数直線図での「1」などが挙げられる。
この「1」は算数の学習の基本に関わる数字だと思うので、授業者が意識しないと児童は混乱することになる。
例えば、分数の学習で、何を1とするかで、分母が変わってくる。そのことで混乱する児童が出てくる。まぁ、そこが一番話し合って解決するべきところなんだけど。
また、倍の学習で「もとにすると」という言葉が東書では、唐突に出てくるけれど、それは、「1とみると」と言う意味だということを意識して授業しないと割合の学習でつまずく児童が出てくると思われます。
例えば前にいた学校で、かけ算の文章問題に取り組んでみました。(全校で)
① 3人(にん)で1組(くみ)の班(はん)が,8つあります。
② 9こで1箱(はこ)のチョコレートが,5箱(はこ)あります。
③ 9つの班(はん)があります。1つの班(はん)は2(ふ)人(たり)組(ぐみ)です。
④ 4こで1パックのたまごが,6パックあります。
⑤ おかしが9パックあります。1パックは5こ入りです。
⑥ 毎日(まいにち)4文字(もじ)ずつ漢字(かんじ)を覚(おぼ)えます。7日間(なのかかん)たちました。
⑦ 3チームでリレーをします。1チームは8人(にん)です。
⑧ 4チームでリレーをします。1チームは6人(にん)です。
⑨ 1週間(しゅうかん)は7日(なのか)です。3週間(しゅうかん)たちました。
⑩ ミニカーが7台(だい)あります。1台(だい)のタイヤは4本(ほん)です。
☆(問題に)出てくる数字を順番通りに立式すればよい問題と1つ分の数が後に書かれている問題との正答率の差が大きいことから、児童の「1つ分の数」に対する意識が弱いと考えられる。(③⑤⑦⑧⑩)
☆特に正答率が低かった問題は⑩だった。それは、問題の場面を思い描く力が弱いからではないかと思われる。
☆3年の正答率は10問で55%。そのうち③は22%、⑩は17%だった。生徒指導困難校で、学力調査の結果も振るわない学校だということを差し引いてもこの結果は授業者の「1」に対する意識の低さを表している、と思った。