hanami1294のブログ

現在休職中の小学校教員のつぶやきです(只今復職中)。

書ききれなかったこと①

 以下はロッキングオン「音楽文」に応募したトモフスキーについての文章です。

 若干「400」の内容と重なりますが、「楽しい」と「ラク」についての私の考えに触れてあります。「『めんどくさい』を通過しないと『楽しい』は訪れない。そしてその先にあるのが『ラク』だ。」という趣旨のことを書きました。

 

 

チアイ(以下C)「ねえ、また音楽文に投稿するの?」
ハナミ(以下H)「いいじゃない。何回投稿しても。」
C「ロックに関する事だったら何でもいいのね。」
H「そう。優れたロックミュージックは、肉体性と知性のバランスが絶妙だろ。それについて書けばいいんじゃないの?」
C「それで今回は誰を採り上げるの?」
H「トモフスキーだよ。」
C「トモフかぁ。意外ね。」
H「どうして?」
C「だって私はトモフに知性は感じるけど、肉体性はあんまり感じないもの。」
H「じゃあ、俺が肉体性を担当するから、チアイは知性を担当してくれよ。」
C「分かったわ。それにしても、ロッキングオンでトモフか。みんな知ってるかな。」
H「そこが問題なんだよ。みんなが知らないってことは、ロッキングオンも含めたメディアの責任も大きいと思う。だからトモフスキーなんだよ。」
C「分かった。じゃあまず知性からね。私はトモフの歌のタイトルが好き。どんな歌なのか聞きたくなるもの。」
H「チアイの好き嫌いじゃないって。でもまぁ、好きなタイトルを言ってみな。」
C「忘却to ハピネス、うしろむきでOK!、ガン告知はいらない、巨大なダムのありんこの穴、我に返るスキマを埋めろ、無計画とゆう名の壮大な計画、ワルクナイヨワクナイ、・・・」
H「分かった分かった。もうそれくらいにしてよ。確かに魅力的なタイトルではある。俺の好きな曲ばかりでもある。でもそこから、論を展開していってよ。」
C「じゃあもういきなり核心をついちゃうから。トモフの歌を聴くと、『楽しさ』と『楽(らく)』について考えちゃうの。トモフ自身も考えているんじゃないかと思うけど。『楽しさ』と『楽(らく)』は同じ漢字だけど、ちょっと違うと思うの。」
H「うーん、いきなり過ぎてよく分からない。例えば?」
C「そうだなぁ。私が、高校生で生徒会長だとするでしょ。文化祭が近づいている。企画立案を生徒会でしなければいけない。そして決まったことを全校生徒に提案しなければいけない。その提案が通ったとして今度は準備期間が始まる。その間いろいろな難問を私が責任を持って捌いていかなければいけない。そして当日。無事行われることを願いつつあちこちをチェックする。終わったら後片付けとみんなへのねぎらい。これらのことは、ひとつひとつとてもエネルギーのいることだわ。面倒くさくて疲れることと言ってもいい。でもやり遂げたとき、いや、やっている時に感じることもあるわ。そんな時に沸き起こる感情が『楽しさ』よ。そして『楽しさ』を感じるためにはエネルギーがいる。ここまではいい?」
H「なるほど。分かるような気もする。『楽(らく)』は?」
C「『楽しさ』を通過しないと『楽(らく)』は生まれないの。『楽(らく)』な状態っていうことは、自分自身の居場所があるって感じるってことでしょ?さっきの話で言うと生徒会長の私は、文化祭の成功によって自分の居場所を作ることができたの。トモフは会社や世間と面倒くさくて邪魔くさい闘いを挑んでその過程で『楽しさ』を感じた。その結果『楽(らく)』になったのよ。彼だったら『ラク』って表記するかもね。もちろん会社との闘いなんかはヘビーなものだったかもしれないけど。彼の活動はその繰り返しだわ。」
H「『楽しさ』に至るまでに何をエネルギーにしてるの?」
C「昔はネガチョフとポジコフだったわ。つまり、自分の中のネガティブな部分とポジティブな部分をエネルギーにしてたの。アルバムで歌ってるわ。今は、『幻想』と『錯覚』と『妄想』よ。これもアルバムで歌ってるわ。この3つをエネルギーにして現実と闘っているの。」
H「なるほど。ということは孤独な闘いってことだな。」
C「『うしろむきでOK!』は、『あなた方は、俺にもっと前向きに考えようよ、って言うけど、あなた方の言う前向きって何?それこそがうしろ向きなんじゃない?俺の方こそ前向きなんじゃない?』っていう歌よ。邪魔くさい闘いを挑んでいると思わない?長いものに巻かれれば楽な時もあるだろうに。大勢対自分1人で、立ち向かったり異議を唱えたりしているのよ。それがロックなんじゃない?と私は思ってるわ。トモフはロックよ。そしてそこに『楽しさ』を見出せるようになった。」
H「分かった分かった。そう熱くなるなよ。俺も同感だよ。トモフはロックだと思ってる。」
C「じゃああなたの言う肉体性から見たトモフのロックっぷりを語ってよ。」
H「おぅ。俺がトモフに一番肉体性を感じたのは、1999年12月に行われた『ひとりトモフスキーライブ』だった。」
C「今でこそ、バンドのメンバーというかリーダーが一人でソロコンサートをやるのは珍しいことじゃないけどね。」
H「そう。それまで、バンドの形態でトモフはライブをやっていた。それが、何と(今は無き)渋谷公会堂で一人でやるっていうんで遠路はるばる見に行ったわけだよ。」
C「ハコが大きすぎるんじゃないって思った記憶があるわ。」
H「そうそう。一人でずっと弾き語りをするのかなぁ、だったら間が持たないぞ、なんて考えていたんだけどね。違ったね。まず『メトロノフスキー』が登場した。メトロノームに人格を与えて『メトロノフスキー』だ。それに合わせて演奏をするわけ。」
C「『天才ワルツ』ね。」

H「そう。今でこそループステーションか?そんな便利な機械が使われるようになったけど、あれの源はトモフの『メトロノフスキー』にあると俺は思っている。素朴な発想って言われるかもしれないけど。」

C「なるほど。」
H「あと、事前に自分の演奏を録画しておいて、その映像をプロジェクターに写して『トモフスキー2号』と呼んで、自分はトモフスキー1号と名乗って演奏していたな。どちらの手法も今でも大切にしているよ。」
C「素朴なDIY感があるわよね。トモフって。」
H「あとは、『スキップ』って曲では、アコギを弾き、バスドラを踏んで演奏していたな。あれもトモフの発想じゃないかな。ああ、でも清志郎もドラムを叩きながら歌っていたな。」
C「ライブって例えば声やアクションで肉体性を表しやすいと思うけど、トモフは自分とギター以外のものを登場させてきたのね。そこにあなたは、肉体性を感じるって言いたいのね。その中にも『楽しさ』があると思うな。どういうライブにしようかずっと考え続けていたと思うの。それは『楽しさ』よね。」
H「そう。でもそれだけじゃないよ、『楽しさ』は。さっきチアイはDIY感って言っていたけど、トモフは最初、カセットテープを手売りするところから活動を始めたんだ。それにエピックでデビューした後、ライブのビデオテープを貸し出しするっていうこともやっていたな。その後、ファミレスレコードを立ち上げて自主制作を続けているんだけど。タワーレコードとかに行けば、トモフのCDは買えるかもしれないけど、地方の人はファミレスレコードに入金して、自宅に送ってもらうわけだ。CDを。その宛名書きは、トモフ自身がしているんだよ。気の利いた季節ごとのカードも入っている。手作り感満載じゃないか。音源もほとんど自宅で録音しているし。そこにも『楽しさ』を感じるし、トモフ自身『ラク』なんじゃないかな。今のSNSを駆使してメジャー展開するアーティストとは逆の道をトモフは歩んでいるんだ。」
C「確かに。ライブでも楽曲でもCDやグッズ販売でもトモフは、『楽しさ』→『ラク』を追求しているのね。」
H「これで、音楽文に掲載されたら、一気にトモフ情報が拡散して大変なことになるぞ。」
C「宛名書きが忙しくなって、ライブに支障をきたすかもね。」
H「でも俺達なんかが言うより、最初に言ったように音楽メディアがもっとこういう人を採り上げていかないと。何してんだよ。全く。」
C「そんなこと言うと、掲載されないわよ。」
H「じゃあ。ロッキングオンの皆さん、トモフスキーをよろしくお願いします。以上。でいいか?」
C「いいわ。」